健康

柴犬の歯のケアが大切

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柴犬は人気の高い日本犬であり、いくつかの毛色があることでも知られています。凛とした見た目や飼い主に忠実な行動をしてくれることが特徴的な犬種ですが、パートナーとして一緒に幸せに暮らすためにはデンタルケアもしてあげる必要があります。犬にも人間と同じように乳歯と永久歯があります。生後4ヶ月を過ぎると永久歯が生え始め、6~7ヶ月に生え変わりが完了します。

抜けたもののほとんどは飲み込まれるので飼い主は気づかないことも多いのですが、生え代わりが完了したらデンタルケアを始めるようにしましょう。放置しておくと病気になってしまうこともあります。

柴犬の歯が生え変わる時期と注意点

初めて柴犬を飼う場合、犬の歯が生え変わるものだと知らない人もいるかもしれません。犬にも生え変わりの時期はありますが、どのように抜けるのか知っておくと良いでしょう。成長のスピードには個体差もありますが、生後8週間を過ぎた頃には全ての乳歯が生え揃うと言われています。そして、4~6ヶ月の時期に生え変わり、7ヶ月~1歳くらいで永久歯が生え揃います。抜け始める頃には違和感を覚える柴犬も多く、口をしきりに動かしたり、玩具や家具を噛んだりすることが多いです。

抜け落ちたものは食事と一緒に飲み込んでしまうことが多く、気づかないうちにいつの間にか抜けていることがほとんどです。飲み込んでしまうこと自体は特に問題ありませんし、排泄の時に便と一緒に出てくるということです。口のまわりに血が出ていると心配になるかもしれませんが、出血はすぐに止まるのであまり気にしなくて良いでしょう。また、玩具や家具に血がついていることで飼い主が気付くというケースも多いです。

ちなみに、抜け始める頃になると、口の中で雑菌が繁殖しやすくなりますし、口臭が強くなることもあります。きちんとケアをしないと歯周病などの原因になってしまうこともあるため、柴犬が小さいうちからデンタルケアの習慣をつけさせることが大切です。口元を触られるのを嫌がる柴犬は多いですが、子犬のうちから慣れさせておけな成犬になってもあまり嫌がらなくなります。

柴犬は歯周病になりやすいと言われている

犬と人間では口内環境にいくつかの違いがあります。まずは歯の形状が違っており、犬の場合はほとんどが薄く尖っています。次に人間の唾液にはデンプンを糖に分解するアミラーゼという酵素が含まれていますが、犬の唾液にはほとんど含まれていません。そして、弱酸性である人間の口内とは異なり、犬の口内はアルカリ性で保たれています。このような違いが病気の発生率にも関わっているということです。

柴犬の口内はアルカリ性なので虫歯菌が繁殖しにくいですし、唾液にアミラーゼが含まれないので菌の餌となる糖も口内に溜まりにくくなっています。さらに、尖っていてくぼみに菌が溜まりにくいため、人間と比べて虫歯になりにくいということです。しかし、口内がアルカリ性ということは歯垢が石灰化しやすいと言えますし、人間と比べて歯周病になりやすいと言えるのです。また、柴犬の子犬を飼っている場合は乳歯遺残にも注意が必要です。

これは生え変わり時期を過ぎても乳歯が抜けずに残っている状態のことであり、不正咬合を引き起こしたり、病気のリスクが高まるということです。生後6~7ヶ月の生え代わりの時期を過ぎた場合、異常がないか動物病院で一度チェックしてもらっても良いでしょう。柴犬が歯周病になると、口臭や出血といった症状が見られます。この病気は成犬の7割がかかっているといわれることも多く、犬に非常に多い病気となっています。炎症を起こすと目の下に膿が溜まって腫れてしまうこともありますし、周囲の骨が溶けて口と鼻が繋がってしまい、鼻水や鼻血といったさまざまな症状が出てしまうこともあるのです。

柴犬の歯周病の症状を知っておく


柴犬が歯周病になったらどのような症状が出るのかチェックしておきましょう。まず細菌が糖を分解する時に生臭い口臭がするようになります。そのため柴犬の口臭に気付いたらドクターに相談してみるのがおすすめです。次に垢に含まれる菌が原因で炎症が起こるようになります。つけ根が赤く腫れてしまうのですが、この時点では見た目以外の変化が少ないですし、特に症状などは出ないことがほとんどです。そのため多くの飼い主が見過ごしてしまうということです。

炎症が激しくなると歯茎が少しずつ溶け始めてしまいます。本来隠れているはずの根元が露出して歯がぐらつき始め、最終的には抜けてしまうこともあるので注意しましょう。菌が根元の奥で増殖した場合、菌や膿が溜まってしまうことがあります。この状態でさらに放置すると根本の腫れが酷くなりますし、眼の下や顎の下まで腫れてしまうこともあるのです。また、顎の骨にも炎症が広がった場合、骨が少しずつ溶けてしまうことがあります。

結果として顎の骨が非常に弱くなり、ちょっとしたことで骨折してしまうこともあります。この病気は放置するとどんどん進行してしまいますし、さらに怖い病気を引き起こすこともあるので注意しましょう。菌が血液中に入り込むと心臓や腎臓に到達し、炎症を引き起こします。この炎症は慢性心不全や慢性腎不全の原因になってしまうこともあります。これらの病気にかかると完治はできませんし、命に関わることももあると知っておきましょう。

柴犬の歯周病を予防するポイント

柴犬の歯周病を予防するためのポイントを確認しておきましょう。歯の表面は唾液の成分から作られた薄い膜で覆われており、食事によるphの変化から守るという役割を果たしています。ここに細菌が付着しても通常なら唾液で流されていきますが、奥の方や隙間などは細菌が流されにくく、垢が溜まりやすくなっています。そして、口の中にとどまった細菌は糖分を糧にしてどんどん増殖してしまうということです。

垢が唾液に含まれるミネラル物質によって硬くなったものが歯石であり、これはブラシで擦っても落とすことはできません。そのため早めにデンタルケアを開始する必要があります。デンタルケアの基本はブラッシングでであり、垢の状態なら柔らかいのでブラッシングだけで除去することができます。また、ブラッシングには病原菌を掻き出し、酸素を送り込んで菌の増殖を抑えるという作用もあります。柴犬がブラシを嫌がる場合、ガーゼや専用のシートで拭き取るという方法もあります。

これなら手軽で負担も少ないですし、毎食後に実施しても良いでしょう。犬に無害な研磨剤を一緒に使えばさらに効果的です。しかし、拭き取る方法の場合、歯垢や菌は取りきれないのであくまでブラッシングの補助と考えておきましょう。病気の予防においてはフードの見直しも大切です。ウエットタイプは水分量が多く、とろみをつける目的で増粘安定剤などが添加されているので口の中に残りやすいという特徴があります。ドライタイプの場合は固いのでフードを噛む回数が多くなり、唾液の分泌量が増えるので口の中のケアに役立つでしょう。

まとめ

柴犬の歯は丈夫そうなイメージがあるかもしれませんが、実はそこまで丈夫ではありません。全くケアをしないと病気のリスクが高まってしまうこともあるのです。ちなみに、柴犬は人間のように虫歯になることは少ないのですが、歯周病にはなりやすいと言われているので注意が必要です。歯周病は重大な病気の原因になってしまうこともあるため、愛犬にこの病気があると診断されたら積極的に治療をしてあげましょう。

また、一度きちんと治療をして良くなっても、毎日ケアをしないと垢はまた付着してしまいます。再発防止のためにデンタルケアを欠かさないことが大切です。

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