小さい柴犬は本当に愛らしく、顔の雰囲気も幼い感じのものが多いようです。日本古来の猟犬として活躍してきた歴史がある忠実な柴犬ですが、愛くるしい顔を見ていると「狩りに行けるの？」と心配になってしまいます。自分も柴犬を飼うなら小さいタイプが良いと思っていましたが、寿命の問題などで不安に感じることはいくつかありました。一般的に犬は大型犬の寿命の方が短いとされていますが、柴犬の場合も当てはまるのかどうか分かりませんでした。
せっかく飼うなら1日でも2日でも長生きして欲しい、と望まない飼い主さんはいないはずです。
ワンちゃんは小さい方が長生きする
犬は訓練にもぴったりな大型犬の方が丈夫で長生きしそうなものですが、実は小型犬の方が長く生きる傾向があります。もちろん、犬種によって差があるので一概には言えません。ただ、成犬になった時の体重が10kgに満たない小型犬の平均寿命は14.62歳と長く、イタリアン・グレーハウンドは平均15.1歳まで生きているデータが報告されています。一方、大型犬の平均寿命は14.02歳と明らかに負けてしまっています。
柴犬の寿命は12歳前後で、長生きすれば20歳まで生きるケースも少なくありません。ただ、豆柴の平均寿命が11年ということを考えると柴犬もサイズが小さいほど長生きできるとは限らない気もします。もちろん、15年以上元気に生きている豆柴もたくさんいるので、身体のサイズだけで判断するのは早計かも知れません。体格やサイズより、普段の運動習慣や食事のコントロール、ストレスの強さなどで寿命は決まります。
月齢によってかかりやすい病気は違うので、年齢によって発病しやすい病に気をつけてあげることも大切な心構えの1つです。最近はドッグフードのクオリティもかなり高くなっているため、昔よりも遥かに長生きするワンちゃんが随分増えているようです。色々なサービスが充実している動物病院の数も増えていますし、医療の大幅な進歩も無視できない要素です。自分が今飼っている柴犬もギネスを目指して長く生きて貰おうと熱く燃えています。
小さい柴犬は可愛いけど痩せすぎはダメ
うちは家族全員古来より愛され続けた柴犬好きですが、今飼っている柴犬も小ぶりです。小さい柴犬ほどキュートな存在はない、と信じています。ただし、小さい柴犬がいくら可愛くても痩せすぎはいけません。豆柴でもないのに、体重が平均よりも明らかに少ない場合はトラブルに遭いやすくなるので注意が必要です。近年増えているのが、食物アレルギーによる体重減少です。食物アレルギーを抱えている柴犬は、食べ物を食べても下痢をしてしまったり皮膚に痒みなどが出てしまいます。
人間とほとんど同じような反応が出ると理解して下さい。厄介なのが、症状が軽い場合です。症状がハードなら飼い主さんもすぐに気づくことができます。食べてすぐ嘔吐したり、毛を掻きむしって脱毛症状が起きているような場合は異変を即察知することができます。けれど、特定の食べ物を食べるとお腹がほんの少しだけ緩くなるぐらいの反応だと、長く異常に気づけないこともあります。消化不良状態が続き、栄養が取り込めず体重が大幅に減るケースもあるので、気をつけてあげましょう。
柴犬の身体が一回り小さい、と気づいてから慌てて受診するケースも多いようです。なんらかの内臓の病気を発症してしまったせいで体重が減ることもありますが、ストレスなどの理由で拒食症になり、かなり痩せてしまうパターンも報告されています。元々食が細く小さい柴犬も珍しくありませんが、適正体重かどうかはこまめに体重をはかってチェックする必要があります。
うちの柴犬が小さいかどうか気になる
柴犬を飼ったら、最初はこまめに体重を測ってあげて下さい。なんとなく見た目で判断していると、気がついた時栄養不良で痩せすぎてしまっていた、なんて事態も考えられます。とにかく細くスタイリッシュなスタイルのワンちゃんもいますが、柴犬の場合中肉中背が理想的な体型です。細すぎても太りすぎてもいけないので、体重管理には気を使いましょう。定期的に体重を記録することで順調に成長しているかどうか確かめることができます。
体重が増えすぎる病気、減りすぎる病気もあるので、早期発見早期治療の為にも日頃のデータが役立ちます。柴犬は最初のうちこそ本当に小さいので油断しがちですが、大きくなると最終的に10kg近くは余裕で成長します。オスなら9kgから11kg、メスも8kg前後まで重くなります。室内で飼う予定の方はスペースに余裕があるかどうか確認してから購入して下さい。小さい時期の柴犬を見て「これならうちでも買えそう」と判断してしまい、後々後悔するパターンもよくあります。
今はマンションなど集合住宅も増えているので、住まいに合ったサイズかどうかも非常に重要なポイントになります。もし現在標準体重よりも柴犬が小さいようなら、獣医さんにアドバイスして貰った方が良いかも知れません。ちなみに、柴犬の体重は人間用の体重計で簡単に計ることができます。抱っこして計測し、自分の分の重さを引けばそれが柴犬の体重です。
わざと栄養を与えない悪質なショップも
ペットショップで販売されている柴犬があまりにも小さい印象だと、警戒した方が良いかも知れません。子犬でもきちんとご飯を与えられ、運動するスペースが確保してあるワンちゃんの場合毛艶も良く小さいながらに健康的な丸みを帯びているはずです。ところが、妙に痩せているような感じで毛の艶もないようなら、人気が高い小さい柴犬に見せるため、わざと食事の量をセーブしていることも考えられます。
きちんと営業しているお店もたくさんありますが、中にはそういった悪質なペットショップもあるので気をつけた方が良さそうです。決して値段だけで即決せず、働いているスタッフさんの知識や思いやり具合なども確かめた上で総合的に判断しましょう。買う前にスタッフさんに色々質問してみて、1匹1匹の性格などを把握しているようなら安心です。自分も飼う柴犬を決めるまで、何件ショップを回ったか数え切れません。
良いお店は店員さんも親切だし、社内教育が行き届いているので人による当たり外れがほとんどない印象です。当然ワンちゃんたちも餌をたっぷり貰っているので艶々ですし、ケージの中もたいして汚れていません。売上のために餌を与え渋るようなショップは、掃除の方も100パーセントの確率でおろそかにしているはずです。幼少期に栄養をきちんと与えられなかった柴犬はその後成長しても何かと病気になりやすいので、しつけ以上に栄養管理がとても大切です。
まとめ
小さい柴犬は可愛らしいものですが、ストレスやアレルギーなどの問題で痩せすぎてしまっている場合は注意して下さい。ストレスのせいで拒食症になり、やせ細ってしまうワンちゃんもいるそうです。成犬になっても定期的に体重を測って標準体重よりもお大幅に減ってしまっていないかどうか、チェックしておいた方が安心です。しつけはもちろん、体重管理も飼い主の立派な仕事の1つと言えます。
最近はわざと栄養を与えず、需要が高い小さい柴犬を売ろうとする悪質なショップもあるようなので買う時も栄養状態や毛の艶などは確かめておきましょう。