健康

柴犬のアトピー性皮膚炎

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柴犬は、自ら獲物に向かっていく猟犬として古来は活躍しており、警戒心の高さや勇敢な性格をしており番犬として飼われるようになりました。主従関係を築けている飼い主やリーダーに対しては忠実で、凛々しい姿と愛らしい顔つきが特徴で人気の犬種です。柴犬は、筋肉質でスッと伸びた姿勢が魅力的ですが皮膚がデリケートでアトピー性皮膚炎などの皮膚病にかかりやすい体質をしています。

長期化すると皮膚がゴワゴワしてきたり脱毛してしまいますので、かゆがっていたり皮膚に異常がみられる場合は、早期に治療を開始して適切なケアを行うことが大切です。

柴犬のアトピー性皮膚炎の症状と治療法

柴犬のアトピー性皮膚炎の症状は、皮膚にかゆみが生じたり赤黒くなり進行すると脱毛を起こす場合があります。このような症状が全身のどこでも現れる可能性があり、部位は柴犬によって個人差はありますが主に目の周りや口元などの頭部に症状が出やすいといわれています。一度アトピー性皮膚炎を発症してしまうと、かゆみに耐えることができなくて掻いたり噛んでしまいます。

また、かゆい部位を床に擦りつけたり舐めるといった行動を繰り返してしまうと、症状が悪化しますので早期に治療を開始する必要があるでしょう。症状の進行度合いや部位によっては毛が抜けてしまって、患部だけ穴があいてしまう場合もあります。アトピー性皮膚炎の症状は目で見えない場合もありますので、頭をぶるぶる振っていたり、顔や体を床や地面にこすりつけるような行動をしている時は、医師に相談するとよいでしょう。

皮膚に赤みや脱毛がある時や赤い発疹がでたりにおいが気になる場合は、アトピー性皮膚炎に加えて細菌や真菌に感染している可能性もあります。比較的早期で軽度の場合は、抗ヒスタミン剤で治療が行われ、中等度から重度の場合はステロイドや免疫抑制剤が使用されます。細菌性や真菌性の皮膚炎を併発している場合は抗生剤や抗真菌剤も処方されます。これらのお薬は、副作用がありますので、自己判断でお薬を中断することはせず医師の指示に従って正しく治療を行うことが大切です。

アトピー性皮膚炎の適切なホームケア

柴犬のアトピー性皮膚炎は、治療だけではなくブラッシングなどのホームケアを行うことが大切といわれています。アトピー体質は、皮膚が乾燥しやすいため保湿系の薬用シャンプーを使う必要があります。皮膚の状態によっては、脂漏症用のシャンプーや抗真菌剤が含まれているシャンプーをすすめられる場合もありますので、最適なものを使用しましょう。

シャンプーの際は、熱いお湯やドライヤーの熱風は皮膚の乾燥を進行させてしまうため避けてぬるま湯でやさしく洗うことが大切です。健康な皮膚をつくるためには、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルといった栄養素が必要ですから、食事を管理してバランスに気を配りましょう。皮膚の健康を維持するためには、合成保存料や着色料などの余分な添加物が含まれていないフードがおすすめされています。

また、皮膚の炎症やかゆみを抑えるはたらきがあるオメガ3脂肪酸や皮膚に潤いを与えるオメガ6脂肪酸がバランスよく含まれている食事が理想的です。アトピー性皮膚炎を患いやすい柴犬は、ハウスダストや花粉にも敏感な場合がありますので室内に空気清浄機を置いたり、花粉が気になる時期のお散歩は、レインコート等を着せて花粉を持ち込まないように工夫することも大切といわれています。

体を動かすことが大好きな柴犬は、長めのお散歩が必要ですが、皮膚と同様に肉球もデリケートですからしっかり足を洗って乾かして清潔な状態にしてあげることも重要です。

アトピー性皮膚炎が生じる主な原因


柴犬は、遺伝的にアトピー性皮膚炎になりやすい犬種といわれていますが、カビやダニ、花粉、ほこり、真菌などがアレルゲンとなって発症する場合があります。大気中のあらゆるものがアトピー性皮膚炎の原因になりますので、症状を緩和させたり悪化することを防ぐためには定期的にブラッシングをしたり生活環境を清潔に保つことが求められます。体質的にアトピー性皮膚炎を持っている柴犬は梅雨時期になると症状が悪化することが多いため、高温多湿の時期は注意が必要です。

シャンプーもアトピー性皮膚炎の症状を進行させてしまう場合がありますので、雑菌が繁殖しないために皮膚に水分を残さないで完全にかわかしてあげてあげましょう。また、毎日食べているドッグフードによって腸内環境が乱れてしまうと、腸内細菌のバランスが崩れてしまって免疫機能に異常をきたす場合があります。腸内バランスが崩れることでアトピー性皮膚炎が生じる場合もありますので、柴犬の腸内環境にも配慮することが大切です。

たくさんあるドッグフードの中には、人工添加物がたくさん含まれているものがあります。このようなフードをアレルギーを引き起こしやすい柴犬に与えることで悪影響を及ぼす恐れがありますので、食べ物を与える際には注意しなければなりません。無添加のドッグフードでも極端に価格が安い場合は、添加物がたくさん配合されている場合がありますので必ず表示を確認するとよいでしょう。

アトピー性皮膚炎と症状が似ているアレルギー性皮膚炎

柴犬は、皮膚が乾燥しやすくデリケートなためアトピー性皮膚炎と症状が似ているアレルギー性皮膚炎にも注意が必要です。アレルギー性皮膚炎も、体にかゆみが出たり皮膚が赤くなるといった症状が現れます。アレルギー性皮膚炎は、皮膚以外にも下痢やおう吐などを引き起こす場合があり、原因となるアレルゲンに触れたり食べることで症状が現れるといわれています。

特定の食べ物に対してアレルギー反応を起こして症状が出る場合もあり、口やその周辺、耳や目などの体の内側に戸アレルギー反応が出ます。一方、アトピー性皮膚炎は環境性のアレルギーともいわれており、主に顔や足、お腹に症状が出ることが多いのが特徴です。しかし、アトピー性皮膚炎とアレルギー性皮膚炎は、いずれも悪化することで全身に症状が出てきますので早期に適切な対応が必要になります。

また、アトピー性皮膚炎もアレルギー性皮膚炎も症状が出ている部位を掻きむしったり舐めてしまうことによって殺菌に感染して膿皮症になりますので注意しましょう。膿皮症は、皮膚が化膿して発熱やかゆみ、痛み、脱毛が生じて免疫力が低下してしまいますので、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎が疑われる場合は医師に相談することが大切です。どちらも症状がよく似ていますが、体を床や地面にこすりつけていたり舐めている場合は、できる限り早く治療や適切なホームケアを行うことがおすすめされています。

まとめ

柴犬は、がっしりとした体格で凛々しい印象がありますが、遺伝的にもアトピー性皮膚炎を発症させることが多い犬種です。皮膚がデリケートな柴犬は、季節や生活環境が原因となる場合が多いため、こまめにお掃除をして清潔な環境を用意することが大切です。定期的なブラッシングやシャンプーといったホームケアやドッグフードに気を配ることも大切といわれています。

普段から柴犬の様子を良く観察しておき、痒そうな行動をしていたり皮膚に異常がある場合は、早期に治療を開始することがとても重要です。アトピー性皮膚炎は、治療が遅れると皮膚の状態が悪くなったり脱毛が生じますので注意しましょう。

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