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柴犬とラブラドールの歴史とミックス犬の生態

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柴犬は、コロコロと駆け回る姿が愛らしい小型犬である事から日本犬で最も登録件数の多い犬種であり、アメリカやイギリスではオオカミの血を色濃く受け継いでいる筋肉質の凛々しい姿が好まれていますが、独立心が強く飼い主に懐かない一面もある犬種です。ラブラドール・レトリーバーは、大型犬で最も日本国内の登録件数の多い犬種であり老若男女を問わず誰にでも人懐っこい性格が好まれている犬種であり、柴犬とミックスしたハイブリッド犬も異種交雑されています。

このハイブリッド犬は、適度な警戒心とコミュニケーション能力と共に飼い主に忠実な性格を持っており、非常に飼いやすい犬種として好まれています。

世界中で人気の柴犬とラブラドールの歴史

柴犬とラブラドールは、共に古くから狩猟や漁業のサポートを担って来た賢い犬種ですが、柴犬はラブラドール・レトリーバーに比べて長い歴史を有する世界的にも原始的な犬種です。柴犬は、世界的にも珍しい10,000年以上の継続した縄文時代に大切にされていた縄文犬を先祖とする古代犬であり、飼い主に支持される事無く自分で考えて行動する賢い犬種です。柴犬には、山陰犬や美濃犬及び信州犬などの地犬が存在し、純血種の減少から昭和11年以降国の天然記念物として保護活動が継続されています。

ラブラドールレトリーバーは、カナダのニューファンドランド島に持ち込まれた番犬「マスティフ」との異種交雑により島原産のニューファンドランド犬を誕生させた「セント・ジョンズ・ウォーター・ドッグ」が祖先とされ、体重が54kg〜77kgもあるセント・ジョンズ・ウォーター・ドッグに比べて小柄ながらも大型犬に分類されています。

セント・ジョンズ・ウォーター・ドッグは、水辺での獲物の回収力の高さを高く評価したマルムズベリー伯爵によって1820年頃にイングランドに持ち込まれ、1903年と1907年にそれぞれイギリスとアメリカのケネルクラブに公式犬種として登録された犬種です。ラブラドール・レトリーバーには、胴が短く頑強な骨格を有する外観重視のイングリッシュタイプと体高が高くスマートな能力重視のアメリカンタイプに加え、アジアで主流となっているオーストラリアタイプの3種類が存在します。

換毛期に毎日のブラッシングが必要不可欠な柴犬とラブラドール

柴犬とラブラドール・レトリーバーは、共に極寒の生息環境にも適応可能な犬種である事から年2回の換毛期があると共に換毛期には毎日のブラッシングを欠かす事が出来ない犬種であり、共にダブルコートが特徴です。柴犬は、チベットの標高3,000mを超える山岳地域に生存しているチベットオオカミから分岐した縄文犬を先祖としており、厳しい風雪から身を守る硬いトップコートと羽毛の様に空気を内包する保温力の高いアンダーコートのダブルコートの被毛を有する原始的な古代犬です。

その為、換毛期には毎日大量の抜け毛があり、1度に全てが抜けず部分毎にゴッソリと抜けるので比較的長い間毎日ブラッシングする必要があります。ラブラドールレトリーバーは、先祖のセント・ジョンズ・ウォーター・ドッグと同様に足には降雪時にカンジキの役割も担う水掻きを有する稀有な犬種であり、油脂分を含む乾燥気味の縮れていない短毛のトップコートコートと柔らかなアンダーコートが厳冬期の水中でも身体への悪影響を最小限に行動を可能とさせています。

柴犬とラブラドール・レトリーバーは、共に寒暖を自ら感じる事で生理的に換毛期を迎え寒暖を調整しますが、寒暖を実感出来ず自律神経に乱調を来たすと換毛期が無く皮膚病や食欲不振を招く事も少なくありません。ブラッシングの際には、抜け毛を除去するだけで無く炎症の有無を確認する必要があり、特に皮膚ガンの発症リスクの高いラブラドール・レトリーバーは入念に皮膚の状態を確認します。

柴犬とラブラドールのミックス犬の性格と生態


柴犬とラブラドール・レトリーバーは、共に狩猟や漁業を古くからサポートして来た飼い主に忠実な犬種ですが、2犬種では大きく性格が異なる事から2犬種をミックスしたハイブリッド犬も異種交雑されています。柴犬は、縄文時代から優秀な狩猟犬かつオオカミの血を色濃く受け継いでいる縄文犬を先祖としている事から警戒心や縄張り意識が非常に強いだけで無く、自分で考えて行動する賢さを持っている事から他の犬だけで無く飼い主や飼い主の家族に対するコミュニケーション能力が低い特徴がある犬種です。

その為、出来るだけ早い時期から社会的コミュニケーション能力を鍛える訓練を行う必要があり、充分な訓練を怠ると飼う事自体が負担となる気難しい犬種ともされています。ラブラドールは、飼い主や飼い主の家族だけで無く老若男女を問わず非常に友好的な面を持つ事から番犬に不向きとされる犬種であり、縄張り意識も低い事から無駄吠えが少ない温和な面と高い知能を有する犬種です。

柴犬とラブラドールレトリーバーのミックス犬は、柴犬に比べて一回り大きな個体が多く、顔はキツネ顔が少しふっくらとしたラブラドール・レトリーバーよりの個体が多いのが特徴です。生態は、警戒心や独立心が強く場合によっては飼い主にも懐かない気難しい一面がなくなると共に人懐っこさがプラスされていますが、飼い主に対する忠実さや使役を好む生態はより顕著になっており愛犬としては理想的な愛玩動物となっています。

被毛は、個体によってダブルコートとシングルコートの差がありますが、基本的にはイエローの毛色の個体が多く誕生しているハイブリッド犬です。

運動不足が成長と健康を阻害する柴犬とラブラドール

柴犬とラブラドールは、何事にも好奇心が非常に旺盛な犬種である事から成長期には頑強な骨格と充分な筋肉をつける為に適度な運動が必要不可欠とされ、両犬種とも狩猟や漁業のサポートを行って来た事から体力がある種類の犬なので最低でも朝夕1時間以上の散歩が必要です。この2犬種は、散歩やドッグランなどで適切な運動量を下回ると骨格や筋肉の成長を阻害するだけで無く健康も崩してしまう事があり、特にラブラドール・レトリーバーは食欲が旺盛なので油断するとすぐに太ってしまう肥満体質なのでレトリーブ能力を覚醒させるフライングディスクやボール投げなどの運動トレーニングが非常に有効です。

柴犬は、縄文犬の血をひく先天性の疾患がほとんど無く膝蓋骨脱臼やブドウ膜皮膚炎症候群以外の疾患の発症リスクの少ない犬種ですが、ラブラドール・レトリーバーは優性遺伝の両眼白内障や甲状腺機能低下症及び皮膚ガンなどの発症リスクが高い犬種とされています。ラブラドール・レトリーバーは、寿命が10年〜13年と比較的短い特徴があるだけで無く、生後3カ月で遺伝病の筋ジストロフィーを発症し歩行異常や運動障害を発症する犬種です。

その為、柴犬とラブラドール・レトリーバーのミックスしたハイブリッド犬は遺伝性の白内障や筋ジストロフィーの発症率が低くなっていますが、股関節や肩関節などの関節周辺の筋肉や骨の形成不全が多いので飼い主が注意する必要があります。

まとめ

柴犬とラブラドールは、昔から人間の傍で狩猟や漁業に携わって来た犬種であり、共に寒さに強いなどの共通点の多い国内外で人気の犬種です。柴犬とラブラドールは、年2回の換毛期には毎日大量の抜け毛がある事から毎日のトリミングが欠かせられないだけで無く、成長期には骨格と筋肉をしっかりとつける為に毎日朝夕1時間以上の散歩が必要不可欠とされています。

ミックス犬は、優性遺伝の疾患が多いラブラドール・レトリーバーと丈夫な柴犬と異種交雑した事により健康な個体が多く、社会的コミュニケーション能力が高く飼い主により従順な個体が多いのも特徴です。

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