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柴犬の子犬の寝言への対処法 睡眠のポイント

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縄文時代の初め頃、アジア大陸から人間と一緒に渡ってきた犬が、日本犬の祖先だといわれています。高い狩猟能力を生かして人間の手助けをし、大切なパートナーとして暮らしをともにしてきました。柴犬はそのような日本犬の一種で、国の天然記念物に指定されています。毛色は赤毛・黒・白・胡麻など様々で、それぞれ個性があるのも魅力の一つです。そのような柴犬を飼ったとき、睡眠中に寝言を言うことがあります。

特に子犬に多いといわれる寝言はなぜ起こり、どう対処すればよいのでしょうか。柴犬の睡眠の特徴や、睡眠中に起こりがちな行動についてみてみましょう。

柴犬の睡眠は長時間で、レム睡眠の時間が長い

柴犬の一日の睡眠時間は平均すると12~18時間ほどです。個体差はあるものの、成犬で12~15時間ほど、子犬で18~19時間ほど寝て過ごします。子犬の場合は熟睡していることもありますが、大抵の場合は物音や気配を察知するとすぐに起きます。このように浅い眠りの時間が多いのが特徴です。

そのようなときの犬は、あごを地面につけて眠っていることが多く、これはあごの骨で地面の振動を感じ取り、いち早く危険を察知するための野生動物としての名残りだといわれています。人間の場合、睡眠は体を休め、起きている間にあった出来事の記憶や感情を脳の中で整理する大切なものです。成長ホルモンも分泌され、体の成長や修復なども行われます。

睡眠中には、浅い眠りのレム睡眠(体は寝ていて脳は起きている状態)と深い眠りのノンレム睡眠(体と脳のどちらも寝ている状態)が繰り返され、レム睡眠のときに夢を見ます。犬の睡眠については、例えば夢を見たかどうかを犬自身にきくわけにもいかず、検査も犬に説明して納得して落ち着いて受けてもらうということもできません。

そのように実際に調べるのが難しく本格的な研究がされていないため、はっきりと立証されていないことも多くあります。しかし、ごく少数の犬のデータではありますが、脳波をとったところ犬もレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すようだと書いている論文は存在するようです。そうであれば、犬も人間と同じように夢を見ているのかもしれません。

また、科学的な根拠がなくとも経験的に、愛犬の様子を観察していれば、夢を見ているのだろうと感じる場面に出あうことは多いものです。

柴犬の睡眠中に多くみられる寝言などの行動の理由

夢を見ているのではないかと感じる柴犬の睡眠中に起こる行動には、まず、唸る・吠える・遠吠えをする・クーンクーンと鼻を鳴らすように鳴くなどの寝言が挙げられます。その他にも、手足をバタつかせる・しっぽを振る・ピクッと体を痙攣させるなどの行動がよくみられます。人間と同様に、睡眠中に起きている間にあった出来事を思い出し記憶や感情の整理を行っているのではないかと考えられています。

愛犬の起きている間に経験した出来事や愛犬の表情に注目してみると、険しい顔で鋭く吠えていれば怖い夢を見ているのかな、穏やかな表情で足を歩くように動かしていれば、今日の散歩でたくさん歩いたことがうれしかったのかな、などと想像してみるのも微笑ましく楽しいものです。柴犬は熟睡していることが少なく、眠りの浅いレム睡眠の時間が長く夢を見ることも増えるため、寝言や手足を動かすなどの行動がみられることも多くなります。

柴犬の睡眠中によくみられるこれらの行動は、無意識に起こる行動で基本的には心配する必要はありません。寝ている愛犬を起こしたりせず、そのまま寝かしておきましょう。しかし、苦しそうな様子が長期間続いたり動きが激しくなってきたなど、日頃から愛犬の様子を観察している飼い主が違和感を覚えたときは病気の可能性も疑われます。

柴犬にそのように心配な様子がみられたときは愛犬の睡眠中の気になる行動の動画を撮ったり、メモをとっておくなどして、獣医師にそれを見せながら相談してみるとよいでしょう。

柴犬の子犬の寝言などの行動と、睡眠のポイント


柴犬の子犬の場合、睡眠中に寝言を言う・大きな鳴き声をあげる・痙攣するなどの行動は、成犬に比べてより多くみられます。健康に問題はないのかと心配になりますが、基本的には気にする必要はありません。子犬の体は急速に成長しているところです。そのような時期に起こる痙攣は、睡眠中に脳から送られた電気信号が全ての神経回路に刺激を与えているためです。このとき眠りを妨げられることはかなりのストレスになります。

子犬は成犬に比べ、経験したことのない新しい出来事やそれによって感じる新しい感情に出あう機会が多くなります。それだけより感情や記憶の整理をしなければならないことも多くなるので、成犬以上により長時間で質の良い睡眠が必要です。また、怖い夢を見てために痙攣を起こす場合もありますが、いずれの場合も起こさずそっとしておき見守りましょう。睡眠中には脳内の整理の他に、成長ホルモンも分泌されています。

起こされると成長を妨げたりストレスになったりします。眠っている間に犬の爪を切るなどのケアも避け、ゆっくり寝かせてあげましょう。愛犬が落ち着ける場所に寝床を用意します。その都度愛犬が好きな場所で眠るのではなく一定の場所を寝床としておくと、体調の悪いときにもその寝床で安静にしていられるので安心です。

寝床には物音や気配に敏感な犬にとって静かで落ち着ける場所が適していますが、子犬の場合寂しがるようであれば飼い主と同じ寝室に寝床を作ったり、飼い主のにおいのついた物を寝床においておくなどすると落ち着きます。子犬や老犬の場合、夜間も気温や湿度が快適に保てる場所であるかどうかも考慮してあげましょう。

柴犬の睡眠中に起こる心配な行動と対処法

柴犬の睡眠中にみられる行動で心配なのは、いびきです。ただし、鼻が短い犬種であるパグやブルドッグのように体質上いびきをかくことが多い犬や肥満の犬のいびきはこれには含まれません。柴犬も該当するそれ以外の犬種がいびきをかく場合は病気の可能性があります。例えば、軟口蓋過長症は、喉の奥にある軟口蓋という柔らかい部分が伸びて、気管を塞いでしまいます。

呼吸が十分にできなくなるため酸欠で失神してしまうことがあります。また、呼吸で行う体温調節ができなくなります。期間虚脱は、空気の通り道の気管が狭くなります。症状がひどくなると呼吸困難を引き起こします。高齢の犬に多く見受けられます。発症することが多い犬種は、チワワ・ヨークシャテリア・ポメラニアン・ミニチュアプードルなどです。

いびきをかくことが症状としてあげられる病気には、その他にも心臓の病気や気管に腫瘍ができている場合などが考えられます。もし、いびきをかいているようならば、できるだけ早く病院へ行き獣医師に相談してみましょう。心配な行動は、柴犬が起きている時にあらわれることもあります。例えば自分の手足やしっぽを舐め続けていたり、円形脱毛症になる場合、ストレスを感じている可能性があります。

柴犬のストレス解消には一緒にたくさん遊んであげることが効果的です。熟睡する時間が短くただでさえちょっとした物音や気配で起きてしまう柴犬は、飼い主が不規則な生活リズムだと、それに合わせ不眠症になることもあります。より長い睡眠時間を必要とする子犬はなおさら、良質な睡眠をとれるよう配慮してあげましょう。

まとめ

わたしたち人間の大昔からのパートナーである柴犬は、平均12~18時間の睡眠時間が必要で、子犬では18~19時間とさらに長くなります。このように長時間の睡眠が必要なのは、起きている間にあった出来事の記憶や感情の整理をしているためだと考えられます。寝言や手足を動かすなどの行動がみられることもありますが、心配せず寝かせておきましょう。しかし、いびきの場合は病院へいきましょう。

柴犬は熟睡することが少なくちょっとした物音や気配で起きてしまうほど敏感です。質の高い睡眠をたっぷりとることができるよう気を配ってあげたいものです。

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