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柴犬がヘルニアになってしまうこともある

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柴犬は凛とした顔立ちや飼い主に忠実な性格が人気の日本犬です。古来から猟犬や番犬として活躍してきた柴犬ですが、椎間板ヘルニアにかかりやすい犬種とされています。脊髄の中の神経の異常や激しい運動、老化などが原因になってしまうと言われているため、普段から柴犬の様子をよく観察しておきましょう。初期段階では歩き方がおかしかったり、背中を触ると痛がるといった症状が出ます。悪化すると自力で立つこともできなくなってしまうため、手術が必要になってしまいます。

手術が必要になると柴犬にとっては大きな負担になってしまうため、初期段階のうちで発見できるかどうかがポイントとなります。

柴犬のヘルニアの種類をチェック

柴犬のヘルニアといっても発生した場所によって名前が変わってきます。これは臓器が体内の隙間や裂けたところから飛び出してしまう病気のことですが、いくつか代表的な種類について知っておきましょう。最も有名なのは椎間板ヘルニアです。これは椎間板への負担が大きくなってしまうことで発生してしまうものです。鼠径ヘルニアは鼠径の皮下に臓器が飛び出してしまう症状です。膀胱が近くにあるため、膀胱が飛び出しすと排尿障害が起こってしまうこともあります。

会陰ヘルニアは肛門付近のヘルニアであり、筋肉が弱ってしまうと発症しやすくなると言われています。そのため高齢の柴犬は注意が必要です。こまめに観察して肛門の周りが膨れているなどの異常を見つけた場合、早めに病院に連れていきましょう。臍ヘルニアはお腹に強い圧力が加わり、へその穴に隙間ができることで内臓が飛び出してしまう症状です。小さいものなら問題ありませんが、ヘルニア部分が大きくなると腸が閉塞したり、血行が悪くなって手術が必要になってしまうこともあります。

頚椎ヘルニアとは首に起こるヘルニアのことです。さまざまな原因が考えられますが、フローリングで生活をしている柴犬に発症しやすいと言われています。フローリングは滑りやすいため、柴犬の首や腰などに大きな負担がかかってしまうのです。首や腰への負担を軽減するため、カーペットや絨毯を敷いてあげると良いかもしれません。また、階段の昇降や散歩でリードを強く引っ張ることも首への負担が大きくなるので注意しましょう。

柴犬が椎間板ヘルニアを起こす原因とは

柴犬が椎間板ヘルニアを起こす主な原因は肥満と激しい運動、加齢が挙げられます。犬の体重が増えると皮下脂肪だけでなく、内臓脂肪も蓄積されていきます。犬は4本の足で立っているため、背骨が内臓や内臓脂肪、皮下脂肪を吊り下げている状態となります。そのため体重が増えるほど背骨は重いものをぶら下げることになりますし、背骨への負担が大きくなってしまうのです。柴犬は活発な犬種ですが、運動をさせすぎるのは良くありません。

犬の背骨は後ろに大きく反らすような動きに弱く、高いジャンプやフリスビーのキャッチなども腰や背中への負担となります。ヘルニアを防ぐためにはきちんと練習させましょう。また、階段やソファの段差なども椎間板ヘルニアの原因になると言われています。柴犬が高齢になると背骨の形が変わってくることがあります。背骨の両端の骨が少しずつ伸び、隣の骨と繋がってしまうことで背骨の動きを妨げるようになってしまうのです。このような状態になると痛みを感じやすくなります。

椎間板ヘルニアといっても軽度から重度までの症状があります。症状に気づきにくいこともありますが、柴犬の様子をこまめに観察すればいち早く気づくことができます。背生を丸めて歩いている場合や腰を左右に揺らして歩いている場合、背中や首を撫でると痛がる場合、抱っこを嫌がる場合、散歩の途中で歩かなくなる場合、寒くないのに震えている場合などは注意が必要です。

柴犬の椎間板ヘルニアの治療について


柴犬の椎間板ヘルニアの治療法は内科的治療法と外科的治療法という2つの方法があります。内科的治療法は比較的症状が軽い場合に使われることになります。薬剤で患部の痛みを和らげたり、コルセットなどで固定するといった方法です。また、楽な姿勢で過ごすことになり、運動を控える必要があります。この治療法は応急処置に近く、完治する方法ではないことを知っておきましょう。薬はステロイドなどが使われることが多いです。

ステロイドは脊髄や神経の炎症を緩和し、痛みを軽減するという効果があります。しかし、長期的に服用すると副作用のリスクが高まるため、1~2週間の服用が限度と言われています。内科的治療の費用は病院によって異なりますが、1000~2000円が相場ということです。内科的治療は安くて済みますが、再発の可能性が高いことも分かっています。治療を受けても柴犬が痛がる場合や症状が悪化する場合、外科的治療法が必要となります。

そのままにしておくと体が全く動かせなくなってしまうこともあるので注意しましょう。外科的治療法では椎間板を取り除くことになります。排尿障害がある場合は早めに手術が必要になるでしょう。また、内科的治療を3ヶ月続けても回復しない場合は、外科的治療法を取り入れることが多いです。外科的治療では痛みの原因となる椎間板を取り除くため、きちんと検査をして厳密に勧めていく必要があります。

手術費用は25~50万円が相場となっていますが、名医に頼む場合は高額になります。

柴犬の椎間板ヘルニアの予防について

柴犬の椎間板ヘルニアは症状が重くなると立つことも歩くことも難しくなってしまいます。治療によって改善できることもありますが、発症を予防することも大切です。椎間板ヘルニアを予防したいという場合、適正体重を保つことがポイントとなります。体重が重いと背骨に負担がかかりやすくなりますし、椎間板ヘルニアを発症しやすくなるということです。しかし、ただ体重を減らせば良いというわけではありませんし、しっかり筋肉をつけながら過度な脂肪を減らすことが重要なのです。

犬の体重を支えているのは骨だけではなく、筋肉や靭帯なども一緒に支えています。きちんと体を支えるためには筋肉や靭帯も丈夫にする必要があるでしょう。柴犬に与えているドッグフードの量が多いなら減らすという方法もありますが、適正な量なのに減らしてしまうのは良くありません。体を維持するために必要な栄養素が不足してしまうため、病気のリスクが高まります。柴犬が太っている場合、脂肪が少ないドッグフードに切り替えるのがおすすめです。

また、適度な運動も取り入れるようにしましょう。しかし、散歩の時間を増やすと関節への負担が大きくなりますし、急に走らせるのは良くありません。走るのではなく早足で歩くことを心がけましょう。椎間板ヘルニアを防止するためには環境を整えることも重要です。フローリングや畳の上を走らせないことや足の裏に生える毛をこまめにカットすること、砂利道などの散歩は避けること高い場所から飛び降りさせないこと、急にリードを引っ張らないことなどがポイントです。

まとめ

ヘルニアは人間だけでなく、柴犬にも起こってしまうことがある病気です。一度発症すると再発を繰り返すこともありますし、重症化すると歩行困難や排泄困難などを起こすこともあるので注意しましょう。場合によっては介護が必要になってしまうこともあります。柴犬にいつまでも元気でいて欲しいという場合、体重管理と適切な運動を心がけることが大切です。椎間板ヘルニアは完全な予防はできませんが、飼い主の日ごろのケアで予防することができるのです。

普段から歩き方などをチェックし、少しでも異変があったらすぐに病院に連れていくことがポイントです。

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