ペットショップなどで稀に見かける「ミックス犬」とは、一体どのような犬なのかご存知でしょうか？ミックス犬は、違った血種の犬同士から産まれるハーフのことで、見た目・性格共に個性的なのが特徴です。中でも、柴犬とのミックスは主人に忠実で体も丈夫な事から近年人気上昇中なんですよ。ペットファンには認知されつつあるミックス犬ですが、「一体どんな気質をしているの？」「飼い難くそう」という疑問やイメージを持っている方はまだまだ少なくありません。
今回は柴犬の血が入ったミックス犬の性格や飼育のポイントについてご説明いたしますので、よろしければ参考にしてみてください。
通常の柴犬はどんな性格をしているの？
柴犬の血が混ざっているミックス犬ならば必ずどこかしらに柴の性格が出るものですので、まずはじめに「本来の柴犬の性格」について知っておきましょう。柴犬は日本では古来より人と一緒に暮らしてきた犬種です。その為、番犬や狩猟犬として適しており、主人にとても忠実で忍耐強く賢い気質をしています。柴犬の動画や写真を見ると尻尾を振り顔を緩ませた可愛らしい姿を晒しているので「柴犬は人に懐きやすい可愛い犬」というイメージを持たれている方は多いですが、実際はその逆で他人には強い警戒心を持っています。
このように主人以外には懐き難い頑固な点もありますが、きちんとしたしつけを行えば誰からも愛される犬になるでしょう。柴犬から主人として認めて貰えればしつけはしやすいので、多くの事を学ぶことができます。しかし、犬から「人間は自身よりも格が下」だと思われてしまうと、とたんに育成が困難になります。元々は番犬や狩猟犬として使われてきたことから闘争本能が強く、攻撃的になる面もあるので、上下関係には注意をしなくてはいけません。
飼い主が主人だとアピールするには、日ごろからコミュニケーションを良くとり、信頼関係を築くことが重要です。主人に忠実で上下関係をきっちり作るという凛々しい印象のある柴犬ですが、リラックスできる場面では人に甘えるという愛らしい一面もあります。柴犬が甘えるのは主人を信頼している証拠なので、そのような時は存分に可愛がってあげましょう。
柴犬のミックス犬の性格は多種多様
ミックス犬は、掛け合わせる犬種によって気質が大きく変わって来ます。両親の犬種の気質が半々に出る事もありますし、大きく偏った性格をしている事もあります。また、人間と一緒で兄弟犬同士で傾向が異なるケースも全く珍しくはありません。柴犬とのミックス犬ならば必ず柴の気質が出るものですが、「忍耐強い」部分や「賢い」気質が出るかもしれませんし、「頑固」な部分だけが出てしまうことも考えられます。こればかりはプロのブリーダーでも判断はできません。
「絶対にこの性格になる」という確証が無いのがミックス犬の面白い所ではありますが、犬の気質をきちんと知り、段取りを立てた育て方をしたいと考えている人には困り物かもしれませんね。そのような方は、柴犬と大人しい気質の犬種を掛け合わせたミックス犬を選ぶようにすると、比較的育成をしやすい子をお迎え出来る可能性が上がります。「柴犬にもっと愛嬌が欲しい」というならば甘えたがりな犬種とのハーフ、「子どもと一緒に遊べる犬が良い」ならば人懐っこい犬種とのハーフ、「きっちりとした番犬として育てたい」ならばより警戒心の強い犬種とのハーフ…といった様に考える楽しみがあるのがミックス犬の魅力です。
もちろん絶対に予想通りになるとは限りませんが、どのような成長をするか想像をしていると楽しくなってきますよね。これから柴犬のミックス犬を飼う予定だという方は、家族と一緒にじっくりと相談をしてどのような子をお迎えするか決めてあげてください。
有名な柴犬ミックスの性格をご紹介
ミックスの掛け合わせは無限にありますが、有名な掛け合わせも存在しています。この項目では、人気のある柴犬とのミックス犬の性格をご紹介いたします。ただし、ミックスは純血種とは違い気質に個体差が大きいので、参考にする程度にしてくださいね。「プーシ」あるいは「柴プー」は、柴犬とプードルを掛け合わせて産まれた犬で、海外でも親しまれています。柴犬の賢さとプードルの人懐っこさを併せ持った気質をしており、育てやすいことで有名です。柴犬の血が入っているのにも関わらず初対面の人に懐く子が多いと言われています。
「ポメ柴」は、柴犬とポメラニアンから産まれた犬です。日本ではSNSを中心に人気があるミックスですが、容姿・気質共に個体差が大きいようです。ポメラニアンの神経質な部分が無く、落ち着いた頭の良い性格の子が多いと言われており、じわじわと愛好家が増えています。「柴チワ」は、柴犬とチワワを掛け合わせた犬です。チワワの愛嬌のある性格により柴犬特有の頑固さがマイルドになっています。しかし、チワワの臆病な気質も受け継がれており、他人に対する警戒心が柴以上に強く、吠え癖がつきやすいのでしつけには注意が必要です。
「柴ブル」は、柴犬とブルドッグを掛け合わせた犬です。番犬のイメージがあるブルドッグですが、物静かで忠実、そして温厚で甘えん坊というとてもしつけしやすい気質をしています。柴ブルはやはり忠犬が多く、飼いやすい性格をしています。
柴犬のミックスを飼育する上で気にするべきポイント
柴のミックス犬を飼育する上で大切なのは、「その犬独自の個性・性格を把握すること」です。飼い主がこれを怠ると、愛犬の病気を見逃してしまったり、知らぬ間にストレスを溜め込んでしまうリスクがあります。たとえば、柴犬は病気や怪我に強い丈夫な体を持っていますが、ミックス犬の場合は片方の犬種がかかりやすい病気になってしまうこともあります。ダックスフントのような胴が長い犬種の血が入っているならば「ヘルニア」や「腎疾患」、小型犬の血が入っているならば「皮膚炎」や「水頭症」になりやすいと言われています。
これらは、食事や運動の方法を変更するなどの対策である程度回避できるケースもあるので、気をつけてあげてください。少しでも愛犬に変な様子があるならば、病院に連れて行ってあげるようにしましょう。また、体のことだけでなく精神にも気をつけてあげなくてはいけません。甘えたがりな犬種の血が入っている子は、人から構って貰えないとストレスになってしまいますし、逆に警戒心の強い子の場合も、家族以外の他人と触れ合う時間が多いと精神が緊迫した状態が続き、やはりストレスになってしまいます。
血統書付きの犬ならばある程度気質がわかるので、このような事態を事前に防ぎやすいですが、ミックスの場合はそうもいきません。個体差が様々なので、自身の愛犬をよく見て、どのような対処を取るのが一番良いか判断をしてあげてください。
まとめ
「柴犬ミックスの性格と飼育ポイント」お伝えいたしましたが、いかがでしたでしょうか。
柴犬はクールな気質をしていますが、ミックス犬は掛け合わせる犬種によって未知数な所があるのが魅力的です。愛犬が一体どのような成長をするのか楽しみたいという方や、人とは違った個性的な柴犬を飼ってみたい方にはぴったりです。もし、今後犬を飼おうか悩んでいるならば、家族と一緒に相談や情報収集をよくして、最後まで責任を持って飼える子を選んであげてくださいね。
きっとあなたにとってかけがえのない大切な家族の一員になってくれるはずです。