お役立ち情報

柴犬の警察犬としての魅力と豆知識

更新日:

日本原産の日本犬の一種である柴犬は、その可愛さから変わらない人気があり、最近では日本のみならず海外でもブームを巻き起こしています。室内で飼っている人が多い印象ですが、実は柴犬はもともと猟犬や番犬の役割を担ってきた犬で、主人に忠実で純朴な性格の持ち主でもあります。逆に主人以外には懐きにくく警戒心も強いと言われているため警察犬に最適で、2011年には岡山県警の嘱託警察犬審査会で5歳の雌の柴犬が合格し、日本犬初の警察犬になりました。

ここでは、柴犬の警察犬としての魅力を始めとして、柴犬に関する豆知識をご紹介します。

そもそも警察犬はどのような仕事をしているのか

現在、日本で警察犬として活躍している犬の種類は7種あり、ボクサーやドーベルマン、ラブラドール・レトリーバーなど大型の犬が多く、その数はおよそ1500頭前後となっています。これらは実際に警察が所有する「直轄犬」で、与えられる仕事は大きく4種類に分けられます。よく知られているのが「麻薬探知犬」で、麻薬を国内に持ち込ませないように空港の税関などで常に待機しており、麻薬の匂いを嗅ぎつけたらすぐに税関職員に報告するように訓練されています。

次に知られているのが事件現場なので警察官と一緒に行動する「跡追求犬」で、事件現場に残っている匂いを嗅ぎ分けて被害者や犯人の居場所などを突き止める仕事を担っています。他にも犯罪の現場で犯人の足に噛み付くなど逮捕補助的な仕事をしたり、犯罪者を威嚇するための「威警犬」、捕まった容疑者と現場に残された証拠の匂いが一致するかを確認する「気選別犬」があり、実際に現場で活躍するようになるには平均して2年近くの訓練を必要とします。

このように、人間よりも圧倒的に優れている犬の「嗅覚」は、雪山で遭難した人を救助するための山岳救助犬や、事件を迅速に解決させるための警察犬など人間にとって大いに役立つもので、19世紀のドイツが発祥と言われており、日本では1912年に初めて警察が導入しました。では、警察犬になった柴犬は、実際にどのような仕事に関わっているのでしょうか。

柴犬に対する警察犬としての期待

警察犬の種類は2つあり、警察が所有する直轄犬とは別に、警察が実施した試験に合格して非常勤の警察犬として認められた「嘱託犬」があります。全国のおよそ1500頭の警察犬のうち、1200前後が嘱託犬で、柴犬はこの嘱託犬としての活躍が期待されています。柴犬の他にもトイ・プードルやチワワ、コーギーなどのいわゆる「愛玩犬」が嘱託犬となった犬種で、何れも小型であるため、大型犬とは異なり災害などの捜索救助活動に多く携わっています。

嘱託犬になるには1年から2年間の育成期間があり、この訓練を終えて始めて警察嘱託犬に認定されます。柴犬は飼い主に従順であることや警戒心が強いことなどに加えて、他の小型犬よりも筋肉質であるため座った状態からの跳躍力に優れていることや、突然の音響に対して耐久力があること、小型ながら攻撃力もあることなどから警察犬としては最適で、小さな体を活かした任務が期待されています。もともとが猟犬であったことも、警察犬の適性に優れていることの証明と言えるでしょう。

警察犬の柴犬に求められている任務は人間や大型犬が入ることができない狭い場所や足場の悪い場所での捜索、敏捷な動作と恐れ知らずな性格を活かした追跡活動など、さまざまなシーンでの需要が見込まれています。また、これらの捜査に関わる仕事だけではなく、さまざまな警察の行事にも参加することで警察のイメージアップに繋がるため、アイドル的な存在としても活躍しています。

柴犬が健康でいるために必要なことと豆知識


多くの人が愛犬として飼っている柴犬ですが、実は日本の天然記念物に指定されていることはあまり知られていません。日常でよく見かける存在ではありますが、昭和6年に「日本に特有な蓄養動物」として天然記念物に指定された理由は「種の保存」で、絶滅させないことがその目的とされ、そのため「飼える天然記念物」として特別な許可や手続きが不要で誰でも飼育や繁殖が可能です。

そんな柴犬は東南アジアに分布していた古代犬である「パリア犬」がルーツで、南方系の民族と共に日本にやって来たと考えられています。日本固有の犬は柴犬を始め北海道犬と秋田犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬の6種類がありますが、その中でも柴犬は最も古い歴史を持っており、縄文時代に存在していた縄文犬の血統を色濃く受け継いでいると言われています。そんな柴犬は豊富な運動量を必要とする犬で、愛犬として飼うためには毎日十分な散歩や遊びの時間を取ることがポイントです。

屋内飼いであっても十分な運動量さえあればストレスを溜めることはなく健康的に生活できますが、高所からのジャンプのような運動を繰り返していると骨格への負担が過度にかかるため、運動の方法にも注意が必要です。また、アレルギーや感染症などから皮膚病にかかることが多く、特に梅雨の時期から夏にかけては悪化しやすくなる傾向にあるため、定期的なブラッシングなどの手入れを行い、皮膚や被毛を清潔に保つことが健康を維持するために大切です。

同じ柴犬でも顔つきによっては警察犬に向かない場合も

日本犬を代表する犬であり、日常的に良く見かけるために表情や外見的にもイメージしやすいのが柴犬ですが、一口に柴犬と言っても、実際によく見ると「顔」が少し違っていることに気付いている人がいるでしょうか。一見同じように見えますが、実は「たぬき顔」と「きつね顔」に分かれており、持っている気質も少々異なっているのです。たぬき顔の特徴は顔の輪郭や頭が丸っこい形をしており、目や鼻も真ん丸で愛嬌のある顔立ちをしています。

体つきも丸みを帯びているため、まさに愛玩犬のイメージにぴったりです。一方のきつね顔は野性的な雰囲気を残しており、ワイルドさを感じさせます。きつね顔の柴犬は別名「縄文柴」と呼ばれ、体つきも縄文犬の特徴を受け継いだ姿となっており、顔は面長でほっそりとして目尻も細長く、体つきもスマートで見た目のスタイルがよいことが特徴です。もともと柴犬はきつね顔が特徴の犬で、たぬき顔は時代の流れに伴って少しずつ変化をした柴犬の現代版と言えるでしょう。

このたぬき顔は性格的にも優しい性格で、柴犬ながらおっとりとした気質であり、愛玩犬としての気質が強くなっているため、きつね顔と視覚して運動能力や攻撃性、積極性にやや劣る傾向にあります。日本初の柴犬の警察犬は面長のきつね顔で、現在では増えてきた柴犬警察犬の多くもきつね顔です。警察犬としての適性テストは柴犬に限らずどの犬種でも受けることができますが、愛犬がたぬき顔の柴犬なら警察犬には向いていないかもしれませんね。

まとめ

海外でも柴犬は「シバ」「シバ・ドッグ」と呼ばれて広く人気があり、昭和30年ころには「豆柴」も誕生し、すっかり日本を代表する犬となりました。その日本を代表する犬は警察犬としても大変優秀で、小さいながらも日夜問わず事件解決のために活動しており、特に足場も悪く、二次災害の恐れがあるような現場でも懸命に任務を果たす忠実なその姿に全く頭が下がる思いです。

愛玩犬や番犬でも身近な柴犬、愛犬として飼っているなら飼い主の責任で健康面にも気を配り、家族同様に一日でも長く一緒に生活できるようケアを怠らないように心がけましょう。

-お役立ち情報

Copyright© 柴犬 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.