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柴犬が年賀状でよく見る理由

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柴犬は、海外でも大人気の日本を代表する日本犬で天然記念物にも指定されています。日本犬の中でも特に日本文化のイメージが強いため、お正月や日本文化を紹介する番組、書籍などで必ずと言っていいほど柴犬を見かけます。特によく見かけるのが、戌年時期の年賀状です。写真やデフォルメされた絵などがその見た目の可愛らしさ、お正月という日本文化によく合うというイメージから、よく使うという人も多いです。

なぜ柴犬は日本文化の代表的存在として、よく年賀状で登場するようになったのでしょうか。柴犬のルーツから探っていきましょう。

柴犬のルーツは縄文犬だった!?

柴犬は遺伝子的に見ると、古くからの血を受け継ぐ現存の古代犬種の内の一つで、ハイイロオオカミから分岐したアジアスピッツ系の系統です。縄文時代に渡来してきた縄文人が持ち込んだ犬がそのルーツであるとされており、江戸時代ごろまで主に猟犬や番犬として飼われてきました。明治時代に入ると、洋犬の輸入による交雑が流行し、一時期は絶滅の危機に瀕しました。このため、柴犬保存の意識が高まり1928年に日本犬保存会が設立され、1936年には国の天然記念物に指定されます。

同種の秋田犬なども天然記念物に指定されていますが、地域的な縛りはなく体のサイズも比較的小柄です。その昔、山陰地方に生息していたこともあり、今の柴犬の血統はその当時の「柴犬を日本の伝統文化とする」意識から探し出された、山陰柴犬がルーツとなっています。ルーツとなったのは島根県の石見地方に住んでいた「石州犬」で地元の猟師に猟犬として飼われていました。特徴も「小さな厚い前傾度ある耳」や「広い額」、「よく締まった太みのある口元」など現在の柴犬そっくりです。

この犬が島根県から東京へと送り出され、子孫を残したことによって血統が守られ、現在でも愛玩犬となって愛されることができているのです。このような古来から続く長い歴史や柴犬を日本の伝統文化として保存しようという動きから、日本の代表というイメージが定着し、干支のシンボルに使われ続けているのです。

可愛らしい特徴で海外でも大人気

柴犬は体高37~40センチほどと日本犬の中では比較的小柄で、小型犬に分類されていますが全般的には中型犬として扱われることが多いです。中には豆柴といった超小型犬ほどの大きさの犬がいたりするため、大変人気の犬種です。しっかりした骨格や筋肉を持っており、バランスのいい体格をしています。くるりと丸まった尻尾がチャームポイントで、尻尾の巻き方の種類だけで9種類もあります。

顔も八角形の輪郭にピンと立ったきれいな三角形の耳や、切れ長の目など素朴ですが賢そうな顔をしているのでSNSなどでよく写真が投稿され、大変好評です。毛は比較的短くつんつんと立っている印象がありますが、外側に硬く、内側が柔かいダブルコートと呼ばれる構造になっているため思ったよりもふわふわな手触りをしています。色は茶色が定番で、年賀状のイラストでよく見かけるのもこの色ですが実は3種類あり、黒毛と胡麻毛という種類があります。

通常の大きさだと茶色というイメージがありますが、豆柴などは黒色などもよく見られています。毛が抜けやすく、ある時期になるとかなり抜け落ちるため毎日のブラッシングが必要だったり、噛み癖があるため物へのいたずら対策など、初心者では飼育がなかなか難しいですが、その素朴な見た目と日本らしい印象から海外でも大変な人気を誇っており、動画投稿サイトでの再生回数は圧倒的です。柴犬のその外見からは昔から長く親しまれているのです。

人気の秘密は日本らしい性格特徴


柴犬が国内に限らず、国外でも人気となっている理由の一つとしてその日本らしい性格があります。愛玩犬のため人懐っこいというイメージがありますが、実は逆でかなり警戒心が強く飼い主以外に馴れ馴れしい態度をとることはありません。飼い主に対しては大変忠実で、きちんとした主従関係を結ぶことができれば生涯のパートナーとなり得る存在となってくれます。このように忠誠心や警戒心が強いという一面が、サムライに似ているということでサムライと共に日本らしさの代表とされることが多いのです。

昔から猟犬や番犬として飼われていたため、勇敢さや賢さ、忍耐強さも持ち合わせており、今でも実際に番犬として飼っている人もいます。同時に頑固で神経質な面も持っているため、しつけは大変難しいと言われています。特に生後1~3ヵ月ごろの社会化期のしつけが大切で、社会に適応していくために必要なルールを覚えさせなければなりません。きちんとしつけができていなければ、飼い主の言うことを聞かなかったりよく吠えるようになってしまいます。

ストレスがたまりやすいため、日頃からよく散歩に連れていったり外でよく遊んでやるなど適度な運動が大切となってきます。このように見た目と違い、飼育がかなり難しいと言われていますがこのことが逆に日本人らしいと言われ、日本の伝統文化とまで言われるようになったのです。年賀状に登場するようになった要因としてこの性格特徴も考えられます。

日本文化というイメージが強い柴犬

年賀状は年始に平安時代から始まったとされており、お世話になった人や親族に年始の挨拶をして回る「年始回り」という習慣の中で遠方の人に対して送った挨拶の手紙が最初であると言われています。現在のようなはがきスタイルとなったのは明治時代で、官製はがきがきっかけとされています。「年賀の書状」が成り立つには「暦」と「紙と文字」が不可欠です。その昔干支は月日や方角を表すために用いられてきたため、ここから年賀状で干支を描くようになりました。

十二支の動物にはそれぞれ意味があり、戌は方角的に福門の方角で安産の象徴として重視されてきました。また、人間にとって最も古い家畜であるということから大変親しみを感じる動物とされています。この戌に特に種類はありません。しかし、古くから日本に存在し、猟犬や番犬となって常に人の傍にいた柴犬が戌のイメージとして定着しやすかったことは想像に難くありません。柴犬と秋田犬は大きさなど違う点は多いですが、姿かたちはよく似ており、混同してしまう人も多いです。

それにも関わらず年賀状のイラストによく用いられるようになったのは、デフォルメしやすい整った体型や日本のサムライによく似た特徴から干支の戌としてイメージしやすいためであるとされています。今では衰退の一途をたどっている年賀状ですが、このような親しみやすさ、日本らしさから柴犬がよく用いられるのは今も昔も変わらないのです。

まとめ

柴犬は古来から日本に存在する古代犬種であり、昔から人に寄り添ってきた親しみやすい存在という歴史や、日本人によく似た性格から日本の伝統文化の代表ということで国の天然記念物に指定され、日本文化の象徴とされることで、年賀状などに度々登場してきました。洋犬との交配は今でも行われていますが、それでも純粋な柴犬が残され、愛され続けているのはこのためなのです。

しつけが難しいという理由から実際に飼うという人はなかなかいませんが、日本のイメージの一つとして年賀状に柴犬のイラストを描く人は大変多いです。柴犬は日本の文化として昔から愛され続けているのです。

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