柴犬は世界中で人気を博している日本犬ですが、そのルーツはかなり古く縄文時代にまで遡ります。当時は狩猟によって人々は生計をたてていたため、柴犬を狩りに同行させたり家を守らせたりしていたようです。現在では柴犬は家族の一員として大切に飼われていますが、なかには狩猟に同行している人もいると言います。柴犬を飼育する際は色々と普通の犬種よりも大変なことがあり、特に大変なのが抜け毛の後処理です。
柴犬が好きで良好なライフをおくりたいのなら事前にしっかり情報を収集してからにするのが良いと思いますし、その方が柴犬のためにもなります。
柴犬は他の日本犬とは違う独特な被毛構造を有する
柴犬は日本犬の中でも特に人気の高い犬種ですが、その被毛構造も独特です。柴犬の被毛構造はダブルコートと呼ばれるものであり、すべての犬はオーバーコートと言う皮膚表面に生えている体毛があるのですが、ダブルの犬種はそれに加えてアンダーコートという体温調節用の体毛があります。抜け毛の大半はこのアンダー部分ですが、アンダーの毛は皮膚の内層に生えているためそれを除去することは基本的にはできないようになっており、ドッグサロンに連れて行ってヘアーカットをしても抜け毛の量は変わりません。
ヘアーカットの中にはサマーカットという夏に施すものもありますが、これもアンダー部分の毛は除去できないので、柴犬の熱中症対策にはならないので注意が必要です。ちなみにオーバーコートの体毛しか有していない被毛構造をシングルコートと呼び、こちらの犬種は抜け毛が少ないので飼い主の負担は少ないです。シングルコートの犬種の代表的なものには世界的にその愛らしい見た目が受けているチワワや、抜け毛の特に少ない犬種として知られているトイ・プードルなどがいます。
多忙な人が良好な愛犬ライフをおくりたいのであれば、柴犬のようなダブルコートの犬種はできるだけ避けて、シングルの犬を選んで飼った方がいいと思います。ただでさえ犬は様々な飼い主のサポートがなければ生きていけないため、神経質に献身的なサポートしてやらなければなりませんから、犬を飼うなら現実的な考えが大切です。
柴犬の抜け毛を処理する際の方法
柴犬は遺伝的な体質によって抜け毛が大量に発生してしまうものです。そのため、飼い主はその後処理をしなければならないのですが、部屋中に散らばっている体毛は比較的簡単に処理が可能です。部屋中に散らばってしまったアンダーコートの毛は掃除機を使えば簡単に除去することができます。ただ、カーペットについてしまった毛は掃除機ではあまり綺麗にできないので、コロコロを使って粘着テープで除去すると効果的です。
柴犬の抜け毛のほとんどはその身体にまとわりついているので、健康のためにもそれを除毛してやらなければなりません。もしも、冬毛の抜け毛が柴犬に絡みついているのであれば、セーターを着ているかのようにそれだけ体温が上昇してしまうため、熱中症になるリスクが高まります。基本的に体の抜け毛処理はブラッシングとシャンプーによって行うのですが、どちらも柴犬の皮膚を傷つけてしまう可能性があるので注意が必要です。
ブラッシングに使うブラシはいくつかあり、スリッカータイプのものやラバータイプのものが定番です。スリッカーブラシはくの字型に曲がっているピンが特徴的なブラシで高い除毛効果が期待できます。ラバーブラシはその名前の通りゴム状のブラシでありトップクラスの除毛効果があります。シャンプーは犬の皮膚を傷つけるおそれがあるため、月2回までに抑えたうえで定期的に行うのが良いです。面倒くさがらずに上記のケアを定期的にしてやれば、良好な柴犬ライフを築けると思います。
柴犬の病気に関する知見を深める
柴犬は他犬種と同様に病気にかかってしまいますが、特に皮膚病にかかりやすいことで知られています。柴犬の皮膚表面には常在菌と呼ばれている細菌が住みついており、この細菌が増殖してしまうと感染症状を起こしやすくなり部分脱毛が目立つようになります。また、同様に皮膚表面にはカビも潜んでいるのですが、これが異常増殖してしまうと部分脱毛を引き起こします。
これらは皮膚から清潔さが失われると発生しやすい疾患のため、定期的なシャンプーやブラッシングによるケアを欠かさないようにしなければなりません。運動の際には汚い土壌の場所で散歩をさせたりしないようにしたりなど、できるだけ身体が汚れないように注意をすることも大切です。柴犬がかかりやすい皮膚疾患にはアトピー性皮膚炎があり、これは人間であっても発症してしまうとなかなか治療が難しい病気になります。
柴犬は3歳までの若い時期にこの疾患にかかってしまうと、治療が長引く傾向になるため、激しい運動を若い時にさせてやるのは大切なことではありますが、皮膚の清潔さは常に意識するようにしてください。皮膚疾患にならないだけでも、良好な柴犬ライフがおくれると思いますし、飼い主の負担は大きいでしょうが承知のうえで飼うべきです。ちなみに部分的な脱毛症状は皮膚を掻きむしるからできるものであり、愛犬がそういった動作を頻繁にするようならば皮膚疾患を疑うようにすると早期発見できます。
柴犬の老化にともなう体調の変化
全世界に生きている生物はどんなものでも歳をとっていくものであり、いつかは亡くなります。それはもちろん柴犬も同じであり、平均寿命は15歳です。一般的には大型犬は自身の内蔵機能がその身体の大きさに見合っていないため、小型犬よりも短命であるとされています。大型犬の代表的なものは、最近まで最も背の高い犬種として認知されていたグレート・デーンですが、平均寿命は7までと言われています。
小型犬で代表的なものには愛らしい表情がとても人気なチワワがおり、チワワの平均寿命は14歳です。そう考えると中型犬のサイズであるにも関わらず、平均寿命が15歳である柴犬は非常に長生きな犬種であることがわかります。柴犬は11歳を超えてくるとシニア犬として認知されるようになり、様々な体調の変化がみられるようになります。特に顕著に表れるのが換毛周期のずれであり、生えるはずの冬毛が生えてこなかったり、夏毛がいつまでも残ったままだったりします。
前者の場合だと、冬の気温に耐えるために生えている体毛が生えていないわけですし、後者は夏場にも関わらず体温を上げる体毛が残ったままになっているわけですから、飼い主がしっかりとエアコンで室温調節をしてやることが大切です。犬は人間と同じように年齢を重ねてからの方が面倒をみる負担が増えるため、良好な柴犬ライフをおくりたい人はそういったことも頭にいれた上で柴犬を飼うべきです。
まとめ
柴犬は遺伝的な体質によって必ず抜け毛が大量に発生します。そして、それは身体にまとわりついているためブラッシングやシャンプーを使って丁寧に落としてやらなければなりません。また、皮膚の疾患にかかりやすいため、常に皮膚表面は清潔に保つようにしてやり、皮膚を掻きむしる動作があれば早期に動物病院で診てもらった方が良いです。それにシニア犬になると換毛周期がずれて、体温調節がうまくできないようになってしまうことがあるため、エアコンの室温調節をより繊細にしてやらなければなりません。
以上のように飼い主がやるべきことが非常に多いため、飼うのであれば注意が必要です。