飼い方・しつけ

柴犬のしつけはテレビの情報を真似ても良いのか

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柴犬を初めて飼う人はしつけの仕方が今ひとつわからず、テレビで観た内容を参考にする人もいるでしょう。でも実際にチャレンジしてみたら、全くうまく行かなくてどうすれば良いのかわからなくなってしまった人もいるのではないでしょうか。柴犬にも個性や性格があり、年齢によっても対応の仕方は違ってきます。だから、テレビで観た通りそのまま実践してしまうと間違っている部分も出てきてしまいます。

真似しても良い部分や同じようにしてはいけない部分を理解すれば、初めてでもしつけをすることは可能です。では、どんな部分に注意してしつけを行なっていけば良いのかをご説明します。

柴犬へのしつけはテレビと全く同じ内容で行なってもダメな理由

プロが行なっていることだから間違っていないと信用して、同じようにしつけをすることが正しく感じてしまいます。テレビで訓練士が柴犬へ対応している姿を見て、我が家の愛犬も同じ柴犬だからとやり方を覚えた飼い主さんもいるでしょう。訓練士さんが警察犬を育てていたこともあると知れば、余計に真似したくなるかもしれません。長年ブリーダーをしている方やペットショップの店員さんなどが発言していれば、信憑性も高く感じます。

でもよく考えなければならないのは、飼っている柴犬の年齢です。さらに、噛み癖がついて危険な状態になっているかどうかでも違ってきます。まだ子犬で、社会化も済んでいないような柴犬に対して、8歳になって人を嫌ったり噛み癖がついたりした犬と同じように対応してはいけません。何も教えられていない子犬に初めから厳しく接したら、人間不信になり余計に人を噛む犬へ成長するでしょう。

柴犬の子犬は年齢に適したしつけがありますし、成犬になっていればその年齢に合わせたやり方があります。訓練士の方はたくさんの犬に接してきているため性格や個性を把握するとともに、飼い主さんとどんな生活をしてきたかによって、その子にあった対応が出来ます。でも初めて飼育を始める飼い主さんは、瞬時に見分ける事が出来ないでしょう。だから、初めは柴犬と交流を深めてどんな子なのかじっくりと観察しなければなりません。

新しい生活の場に移り、柴犬も緊張しています。飼い主さんが迎え入れたときに最初にしなければならないのは、新たな環境や人に慣れさせることです。

柴犬にトイレをしつけけるときはテレビと同じ対応でもOK

柴犬にトイレのしつけを行うのは、家に迎え入れたばかりのときですから、多くは子犬へのトレーニングです。テレビでも飼い主さんが困ってプロへの対応を依頼するとき、子犬が中々覚えてくれなくて困っているときへの対応方法を紹介することが多いので、そのまま真似しても問題ありません。性格や体質によっては、興奮したり喜んだりしたときにトイレ以外のところでしてしまう子がいます。

でもそのおもらしを、トイレを覚えていないことと一緒にしてはいけません。子犬のうちは興奮や喜びで思わず出てしまうのはよくあることで、成長すれば直る子もいますし、大人になっても出でしまう子もいます。でもそれは個性であり、叱ったりしつけたりしても中々直るものではないので、大目に見てあげましょう。プロと同じようにしつけてもトイレを覚えてくれないとき、いろいろな原因が考えられます。

シートが1枚だけ置かれていると落ち着いて出来ない子もいて、壁付きやケージ内に設置されていると出来るようになる柴犬もいます。食事をするところや眠るケージの側にシートが置かれていることを嫌う場合もあるため、覚え方が悪いときにはいろいろなことを変えて試してみましょう。人がトイレでリラックスしたいように、柴犬も落ち着いて出来る場所を好みます。

しつけを徹底しても落ち着けない場所ではしてくれないので、愛犬が何を求めているかよく観察して応えを導くことが大切です。

柴犬のしつけで吠え癖の対応をテレビ通りにすると良くない場合も


テレビでしつけのプロとして登場する人は実に様々で、昔だったら当たり前に行われていた方法を未だに正しいこととして伝えている場合があります。飼い主さんが格下にみられてしまうことが無いよう、力で上下関係を分からせる必要があると聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。だけどそれを子犬にしてしまったら、関係が悪化するだけでまともにしつけが出来るようにはなりません。

柴犬は古くから日本にいた犬種であるため、天然記念物になっています。人に忠実であることが人気で、多くの人に親しまれています。独立心が強く果敢に敵に立ち向かう性格をしていて、噛む力も強いため番犬に適したタイプの犬です。吠えることがある意味仕事で、それは敵に対して向けられます。インターホンや来客、他のペットに吠えるのは、敵かもしれないと考えているからです。

吠え癖がついたと考え、怒鳴り付けても直るものではありません。ましてや力任せに口を閉じさせ吠えるなと叱りつけても、顔を押さえつけても直ることはないでしょう。なぜなら、家族を守ろうと頑張った柴犬から見れば不満しか残らないからです。子犬のときは、不安なことがあれば何にでも吠えます。インターホンが鳴って吠えたとき、飼い主さんが柴犬に大丈夫だよと声をかけて抱っこし、安心させることを繰り返し行います。

来客や他のペットに対して吠えたときも同じです。親犬になりかわり飼い主さんが守り、安心させれば危険がないと理解してくれるでしょう。吠え癖というのはしつけで直すというより、飼い主さんが子犬時代に柴犬にどう接してきたかの結果が現れています。吠えた後に噛み付く行為がないのであれば、子犬のときと同様に不安を取り除き危険がないと分からせてあげられれば改善が期待出来ます。

柴犬にしつけしテレビのような散歩が出来ると他の問題も解決に

テレビでプロが散歩をさせるとき、リーダーウォークができるようにしつけを行います。勝手に行きたい方向に行かせるのではなく、飼い主さんの顔をみながら寄り添って歩かせる方法です。主導権は完全に飼い主さん側にあるため、散歩がしやすいだけではなく他の問題も解決できる可能性が高いです。

柴犬が名前を呼んでも反応しないとか戻らないとき、散歩中に他の犬に対して吠えるといったこともリーダーウォークが出来るようになれば次第になくなっていくでしょう。飼い主さんのことを信頼し、任せて歩いてくれるようになった結果だからです。ブラッシングのときに柴犬が怒ったり噛み付こうとしたりしてくることも不安があるからで、信頼関係が出来れば体を預けてくれます。

ブラッシングの時間は、柴犬の健康チェックをする上で役立つので、嫌がってさせてくれないときは散歩のときにリーダーウォークが出来ているか再度確認してみましょう。リーダーウォークは柴犬が行きたい方向ではなく、リードをうまく使いながら飼い主さんの行きたい方向に歩くようにすることが大切です。

柴犬が先に前に駆け出しそうになったら、首をリードで少し引っ張る形になってしまいますが、方向転換して飼い主さんが先になるようにします。柴犬が飼い主さんの前に出てはいけないと覚えるまで繰り返すことが大事です。うまく出来ないからと、完全に愛犬を引きずったり怒鳴りつけたりすることはNGです。

まとめ

テレビでプロが行なっているしつけは、柴犬が今どんな状態になっているかまで詳しく説明がされないまま放映されることが多いです。だから甘やかしているように見えたり、逆に虐待をしているように見えたりすることがあります。柴犬の年齢や個性などを飼い主さんが把握し、コミュニケーションをとれるようになってからしつけを開始することが大切です。

子犬のうちに覚えさせることが大切だと言われるため、早くしつけを始めたくなりますが、それではうまく行きません。テレビの情報はあくまでも参考であり、プロが言っていることも全てが正解ではないことを十分に理解してしつけを始めましょう。

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