飼い方・しつけ

おとなしい子に育てることもできる、柴犬の魅力

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柴犬は日本に古来から生息する犬で、その昔、東南アジアの方から先住民とともに日本へやってきたと言われています。日本古来の犬というと、「忠犬ハチ公」で知られる秋田犬を思い浮かべる方も多いと思います。柴犬は見た目は北方の秋田犬と似ていますが、そのルーツは全く違うところからきています。今では日本社会にすっかりなじんでいますよね。文房具やぬいぐるみ、雑貨のモチーフとして使われることも多々あります。

おとなしい子でありながらも元気にはつらつと走り回るその姿は、日本人にとってとても親近感があり、見ている人を和ませる力があります。ここではそんな柴犬の魅力について紹介していきます。

日本に生息していた犬の歴史と特徴

そもそも日本が原産の犬は「日本犬」と呼ばれ、古くから日本にいるものは大きく6種類に分けることができます。それは秋田犬、甲斐犬、紀州犬、柴犬、四国犬、北海道犬で、和犬とも呼ばれます。これらは国の天然記念物でもあり、純血種として大切に扱われています。柴犬は猟犬として古くから飼われていて、一番古いものだと縄文時代の遺跡から祖先と考えられる子犬の骨が見つかっています。その頃は人間と一緒に狩りに出かけ狩猟採集生活のパートナーとし、既に深い関わりを持っていました。

日本全土で飼われていた柴犬ですが、あまり人や外来動物が入り込まない山岳地帯の方で高い純性が保たれていたようです。江戸時代の末期にドイツの博物学者シーボルトが来日した際の回想記によると、「狩犬」「町犬」と「狆」の3種の犬を見たと記してあり、それによると、狩犬は立ち耳で短毛という特徴の記述があるそうで、ここに書かれた「狩犬」こそが日本元来の純粋な柴犬のことであると考えられています。

古来から主に狩猟犬として狩りに使われていた柴犬は、明治時代になると多くの外来種が上陸した際に日本の山岳部でも狩りに洋犬が使われるようにもなったので、外来種との交雑も進みました。今でこそ雑種が増えましたが、純粋な日本の犬は毛がふさふさしていて顔が四角く胸元の毛も白いものでした。その愛らしい姿からすると、狩犬の役割を果たしていたとはちょっと意外ですね。

柴犬の見た目や性格の特徴と飼い慣らし方

柴犬をはじめとする日本犬は、飼い主に対してとても忠実です。しかし逆に見知らぬ人へは高い警戒心を持ってしまうようです。その特徴から、番犬として向いていますし、しつけをしっかりすれば良きパートナーとなってくれます。見た目はすっきりとコンパクトな体型をしていてピンと立った耳が特徴です。尻尾もカールがかっていて愛らしいですよね。顔つきも素朴で、飼い主に対して忠実なその性格を思わせる愛らしい表情をしています。すっきりした体形のおかげかその足取りは軽やかで、いつも活発に動き回っている印象がありますよね。

元々は狩り用の犬なので、寒さなど外の環境にも強く、順応力も高いのでどんな環境でも割と飼いやすく、すぐ環境に慣れてくれます。室内で飼っても屋外で飼ってもしっかり順応してくれます。しかし、屋外で飼う場合には、寄生虫などに気を付ける必要があるでしょう。また、日本の夏はとても暑いので犬にとっても大変な環境になりますので、なるべく直射日光の当たらない涼しい場所においてあげるのが良いでしょう。水分補給はとても大切ですので犬が好きな時に飲めるよう準備をしておくと良いです。

そして、柴犬を飼う上で一番大事なのが「しつけ」です。番犬として優秀な能力を発揮しますが、テリトリー意識が強いため新聞配達や近所の人が尋ねてきたときに吠えて威嚇することがよくあります。また、散歩中の犬も「テリトリーに侵入した犬」として排除しようとすることもあるようです。主人にとっては良くても周りの人には「迷惑な犬」に映る可能性もあるので、子犬の時期から他人や他の犬に慣れさせ社交性を身につけさせたり、むだ吠え防止訓練など根気強く社訓練を重ねるようにすると、後々のトラブルを防げますし、一緒に楽しく生活ができるようになります。

自らの健康のためにも柴犬を飼おう


柴犬が飼い主に非常に忠実なのはすでにお伝えしましたが、そういった性格から退職後や老後のパートナーとして柴犬を飼い始める方も多くいます。体系もあまり大きくなくコンパクトな体つきで、室内でも飼えることから、子どものように家の中で一緒に暮らすこともできます。小型犬は一見おとなしい子に見えますが小さくて弱いがゆえに威嚇するために無駄吠えすることも多いですが、柴犬は無駄吠えが少なく、必要な時に外でしっかり運動させておけば室内ではおとなしい子も多いため、非常に飼いやすいです。

人懐っこい性格と元気ではつらつと頼りがいのある姿は、定年後のセカンドライフを楽しみたい方、子どもが巣立ってしまい寂しく思っている方の心をきっと満たしてくれるでしょう。また、柴犬はたくさん運動する必要があるため、飼い主の散歩の習慣作りにもとても良いきっかけになります。一日1時間以上散歩できるのが理想的です。歩くのが大変であれば、自転車でもいいのです。とにかく柴犬はエネルギッシュですから、それを発散させてあげないとストレスが溜まってしまいます。

飼っている側も、可愛い犬のために外に出て散歩をしてあげようと思うようになりますし、散歩すると気分もリフレッシュできます。毎日定期的に運動ができますので健康を促進することができます。年配の方ではボケ防止にも良いと言われています。犬と一緒に暮らすことで気に掛けることが増え、運動で健康になりメリハリのある生活を送れるようになるからです。

海外でも人気な柴犬をペットにする魅力とその利点

時代とともに様々な犬種が世の中で話題になりますが、いつの時代も柴犬は常に高い人気を保っています。近年では海外で柴犬の人気が高まっていて、無駄吠えがあまり無い事やトイレの始末が便利なこと、また室内でも飼育することのできる犬の中でもそのメリットが特に際立っています。海外の犬にはあまり見られない、日本犬特有の「自立性」と、他人のちょうどよい距離の保ち方が素晴らしいという海外の愛犬家も多いようです。

日本ではそんな柴犬の姿は当たり前のようですが、主な犬の種類や性格が違う海外からすると、柴犬のそういった特徴は非常に興味深いのではないでしょうか。東洋の犬は、西洋の犬が持ちえない忠実さと素朴さからくる可愛さを持っているということで高い評価を受け熱心なブリーダーも増えているとのこと。今では海外メディアの注目も大きく、柴犬に関心が寄せられていますが、実は海外で柴犬が認定されたのは最近で1992年のことだそうです。素朴で忠実で賢い、という柴犬の特徴は東洋人の特徴にも似ている気がしますね。

西洋には無い日本特有のストイックさに魅力を感じ、利口な犬を求める海外の愛犬家から非常に人気なのです。少し頑固で気難しいときもあるかもしれませんが、それも柴犬の可愛いところ。はしゃぐときは元気にはしゃいで、普段は利口でおとなしい子にしっかりとしつければ、犬といる時間の楽しみは倍増するのではないでしょうか。

まとめ

今まで4つのトピックで日本で古来から生息する柴犬の歴史や、性格の特徴、飼う上での注意点などを紹介してきました。日本犬として海外からも注目が高まる中、柴犬の価値を多くの人が知り、純粋な柴犬がこれからも日本に生息し続けてほしいですね。やんちゃな子、おとなしい子、頑固な子、犬によって性格は様々ですが、あなたの接し方次第でより快適に一緒に過ごすことができるようになります。大切なのは犬との信頼関係を気付くことです。

このコラムを見て少しでも柴犬について興味を持ってくださったり飼ってみようと思ってもらえたら嬉しく思います。

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