飼い方・しつけ

柴犬に身につけてほしい難易度が中程度のしつけ

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日本犬の中でも最も飼育頭数が多く、人気なのが柴犬です。その魅力は外見と性格の両方にあります。大きな目や立った耳、巻いた尻尾などはシャープでたくましい印象です。また被毛が短いからその下にある筋肉の凹凸がよくわかり、ワイルドです。狩猟犬として活躍していただけあり、性格はリーダーに忠実です。その性格を発揮してもらい、生活に活気をもたらすパートナーになってもらうにはしつけをする必要があります。

オスワリやマテなどは必須のしつけですが、さらに進んだ難易度が中程度以上のものをマスターすると、オーナーと柴犬の生活がぐっと向上します。ここではフセやツケなど一歩進んだトレーニングを示していきます。

長時間の待機に役立つフセのしつけ

ご飯を食べるときのマテ&ヨシやオスワリのしつけが完了したら、難易度が中程度のフセに挑戦するのがおすすめです。フセは柴犬の前足とお腹がピッタリと地面についた体勢です。これをマスターすると、楽な体勢だから長時間の待機ができるようになります。たとえば動物病院の待合室で待っているときにフセができると気持ちが落ち着くので、他の動物にちょっかいを出すようなことを予防できます。

副次的なメリットとしては、長い時間にわたって待たなければいけないことを察知すると、指示を受けなくても自分からマテの体勢をとれるようになることが挙げられます。さらにお腹のブラッシングが楽になります。トレーニングに使うのはドッグフードとリードです。リードに繋いだ柴犬にオスワリをさせ、握ったドッグフードを鼻に持っていって臭いを嗅がせます。柴犬が食べ物に興味を持ったのを確認したら、手を少しずつ下げていき地面まで持っていきます。気をつけてもらいたいのは、手を徐々に下げていくことです。

これは急に下げると柴犬が腰を上げて、首を下げる姿勢になってしまう理由からです。柴犬がフセの姿勢をとったらマテと告げて、空いているほうの手で背中をなでます。なでることで腹ばいのフセが長く続けられるので、ご褒美との因果関係を柴犬に強く印象付けられるので行ってください。しっかりフセができたと思ったら、ほめ言葉をかけてドッグフードをあげます。最後にOKなど、解除の掛け声をかけてこのトレーニングは終了です。

柴犬の悪癖改善に役立つツケのしつけ

やんちゃな柴犬を飼っていて苦労するのは、散歩時の引っ張りと拾い食いでしょう。引っ張り癖がひどいとオーナーがケガをするリスクが高まりますし、最悪の場合には柴犬が自動車に轢かれてしまいます。道に落ちている人間の食べ物は、塩分が高すぎて柴犬には有害だったり、腐っていて食中毒の原因になったりします。柴犬の健康が気になるオーナーとしては、ぜひ改善したいもののはずです。この2つの悪癖を改善するには、ツケをしつけるのが効果的です。ツケとはオーナーの左側に立って同じ速さで歩くことです。

これもフセと同じく難易度が中程度のものです。使うものはドッグフードなどのおやつとリードで、場所は交通量の少ない屋外がいいです。他の犬が来ない、大きな音がしない柴犬が落ち着ける場所を選んであげてください。まずリードに繋いだ柴犬にオスワリをさせて、アイコンタクトをとります。手に握ったおやつの臭いを嗅がせてから、手を顔の位置まで上げつつ柴犬をツケの位置に誘導します。ツケの位置とは飼い主の左側で、柴犬の胸が飼い主のスネと並ぶところです。

次にツケと指示を出してから歩き出し、歩調を合わせてきた柴犬におやつをあげます。自分の左側を同じペースで歩いてきたら、イイネと声に出してほめてあげましょう。おやつをあげるのもほめるのも1回かぎりではなく、何回も繰り返してください。繰り返すことで、左側を並んで歩くのはいいことだ、と柴犬が学びます。このトレーニングを終了する時は、立ち止まってアイコンタクトをとってからOKと声をかけて解除します。

ツケができるようになっても、散歩で引っ張る場合の対処法


上記のツケは大切なしつけですが、それだけで散歩中の引っ張りが完全になくなるわけではありません。ツケまでマスターした柴犬であれば、いくつかのポイントに注意して散歩をすれば大幅な改善が期待できます。まず引っ張ると嫌なことが起こることを学習させるのが有効です。これはシンプルな方法で、柴犬に引っ張られたらオーナーが立ち止まるだけです。若い柴犬なら引っ張ってもムダだということを学習して、オーナーと同じペースで散歩をするようになります。また道具を使って対処するのも効果的です。

おすすめの道具はイージーウォークハーネスとジェントルリーダーです。イージーウォークハーネスとは、首輪の代わりに使用するもので、柴犬が引っ張ると歩く方向が横に流れるしかけを持ったアイテムです。よく犬が先を急ぐと、ペナルティとしてハーネスが体を締めつけるものだと誤解している人を見かけます。しかし決して犬の体を傷つけるものではないので安心してください。ジェントルリーダーは、鼻口部用の輪が首輪に加わった構造をしています。

これも柴犬が引っ張ると鼻口部がリードのほうを向いてしまう仕組みなので、犬のはやる気持ちを阻害します。犬の顔にヒモがかかっている状態に抵抗を感じるオーナーもいるかもしれませんが、体に負担をかけるわけではありません。静かな場所ではツケができるけど、散歩では引っ張るという悩みを持っている人は検討するといいです。

他の犬と仲良くなっていくトレーニング

飼い主との信頼関係構築や基本的なトレーニングが完了したら、他の犬と仲良くさせたくなるのが人情です。柴犬は凛々しいスタイルから国内だけでなく海外でも人気があります。柴犬の姿を見かけたら、自分の犬と仲良くなってくれないかな、と思っているオーナーは多いです。ここでは普段の散歩中に、徐々によその犬と仲良くなっていく方法を示していきます。まず最初に行うのは、吠えたり威嚇することなく通り過ぎることです。まだ他の犬とのふれあいを学んでいない柴犬は、そのシチュエーションに遭遇すると不安を感じます。

その不安を増長させることなく、安心感を与えていくことが第一歩です。だから無理やり近づけて、仲良くさせようとするのは逆効果です。慎重にトレーニングさせていきましょう。よその犬との接近に嫌なイメージを持たなくなったら、次は友好的な犬と近づけてふれあいに慣れさせます。色々な性格の犬がいますが、他の犬を見れば必ず尻尾を振って舌を出すタイプがいます。その中でも穏やかな性格の犬は、最初の友達に最適です。相手の飼い主に許可をとって、お尻の臭いを嗅ぎあう挨拶までこぎつけましょう。

一般的に友好的でしつけの行き届いた犬のオーナーは、犬の習性をよく知っているうえに穏やかな人が多いです。自分の柴犬の状況を説明すると、喜んで協力してくれるものです。この訓練をしていくと困るのが苦手な犬との接近で、このとき柴犬を逃げさせたり威嚇させたりしてはいけません。怖い体験をすると苦手意識がつき、社交性の向上を妨げるからです。もし接近して緊張状態が発生したら、おやつで気をひくのも効果的です。

まとめ

指示としてフセとツケを紹介しました。フセは長時間待つとき、ツケは散歩のときに不可欠なものです。どちらも犬の学習する習性を利用した方法が有効ですが、どの犬でもすぐにできるとは限りません。人に得意なものと不得意なもの、早熟タイプと晩成タイプがあるように犬にも個体差があります。他の犬よりも習得が遅いからといって悲観的にならずに、根気強くトレーニングを継続しましょう。最後に他の犬と仲良くなることについて触れましたが、これは犬の幸せを左右する大切なことです。

だから仲良くなって欲しいと思った犬とうまくいかなくても、悲観的にならずに諦めないでチャレンジを続けてください。

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