飼い方・しつけ

16歳の柴犬の特徴と過ごし方

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柴犬は、飼い主に従順で利口なだけではなく愛らしい顔つきをしているため日本だけではなく海外でも人気がある犬種です。柴犬が16歳になると、番犬として活躍することができる若いころと比べて体力や体の筋力が低下してきます。お散歩が大好きで活動的な一面もありますが、高齢犬になると活動している時間よりも寝ている時間のほうが多くなり、視力が低下したりと徐々に老化のサインがあらわれます。

飼い主は、16歳の柴犬にとって最適な生活環境を整えてあげる必要があります。柴犬の様子をよく観察したり毎日のスキンシップも怠らずか体の変化に気づいてあげましょう。

16歳になった柴犬の体の変化や老化のサイン

柴犬が16歳になると、体に少しずつ変化が生じて老化のサインが顕著にあらわれてきます。活動的でお散歩が好きな犬種の柴犬でも、このころから次第に動いている時間よりも寝ている時間が増えてきます。耳が遠くなって周囲への興味がうすれてしまうこともあり、眠っている時に呼びかけても反応が遅かったり大きな音がしても気にならなくなります。16歳をむかえて老犬になると、食事の量や好みにも変化が現れますので食欲が低下したり食べ物に関心を示さなくなる場合もあります。

噛む力が低下しますので、硬いものよりもやわらかいものを好んで食べるようになるでしょう。反対に、痴呆の兆候が出始めるころでもあるため、いくら食べても足りないといった異常な食欲を見せる場合もありますので飼い主がきちんと食事の管理をする必要があります。老化の兆候としては、被毛の質にも現れてきて白髪がまざり若い時と比較するとツヤが減退してきます。足腰も弱ってきますので、しっかりした足取りから徐々に弱々しい歩き方に変化します。

階段の上り下りに苦労するようになったり寝ている姿勢から立ち上がりづらい仕草を見せることもあり、お散歩に行けなくなるくらいに足腰が弱ってしまう場合もあります。老化に伴って内臓の筋力や脳の働きにも衰えを見せるようになり、胃腸が弱くなるだけではなくトイレを我慢できなくなったり物忘れによる粗相が増えるといった症状も見られます。

16歳の柴犬の適切な飼い方について

柴犬が16歳になるとさまざまな加齢症状が現れてきますので、ブラッシングや歯磨き、爪切りなど毎日のケアがとても大切になります。病気を早期で発見するためにも16歳の高齢犬の場合は、年に最低でも2回の定期健診を受けることも大切です。獣医師による定期的な健診によって、目に見えないサインや体の内側の変化を発見することができますので、早い段階で治療を開始することができるでしょう。

柴犬が16歳になると活動量が減り、基礎代謝能力も落ちてきますので消化吸収が良い良質のたんぱく質を与えることがおすすめされています。老化に伴って消化機能も低下するため、フードの粒の大きさや硬さにも配慮が必要になります。病院で止められている場合を除いてお散歩は無理のない範囲で行うことが理想的です。高齢犬だからとお散歩や運動を控えていると筋力がますます低下する原因になり、立ち上がるなどの基本的な動作ができなくなってしまいますので距離は短くても外に連れ出すことは大切といわれています。

お散歩は、気分転換にもなり飼い主さんとのコミュニケーションにもなりますので、アイコンタクトを取りながら優しく接してあげると安心するでしょう。16歳をむかえると周囲の状況判断が遅れてしまったり、今までできていたことができなくなって柴犬も戸惑ってしまいます。失敗や粗相をしてもプライドを傷つけないように心のケアにも配慮してあげることが大切です。

16歳になった柴犬が気をつける病気


柴犬が16歳になると、痴呆の症状が現れてコミュニケーションが上手くとれなくなってしまう場合があります。痴呆の症状としては、一定の声で鳴き続けたり夜中に徘徊するなどの異常行動があり、円を描くように同じ方向へ歩いたりします。脳腫瘍や髄膜腫などによっても同じような症状が現れる場合がありますが、鳴き続けることが痴呆では一番の問題になるといわれています。

また、目が白く濁って視力が低下する白内障や歯茎が腫れたり口臭が強くなる歯周病にかかりやすくなります。歯周病は、口に痛みを感じて食事をすることが難しくなる場合もあります。軽い咳からはじまって症状が進行すると肺に水がたまってしまう僧帽弁閉鎖不全症や関節が炎症して関節部分に傷みが生じる変形性脊椎症状も現れる場合がありますので、身体の変化に注意が必要です。

水をたくさん飲むようになって尿の量が増えたり、お腹が張って皮膚や体毛が薄くなる副腎皮質機能亢進症にも気をつけておきましょう。症状が進行すると血尿がでる尿路結石や尿や便がでなかったり逆に失禁してしまう場合は、前立腺肥大が疑われます。柴犬がかかりやすい皮膚疾患には特に注意が必要で、皮膚に強いかゆみを伴う膿皮症は患部が脱毛したり赤く腫れてしまいます。

高齢犬になると食欲不振や嘔吐、下痢症状が腫瘍による原因の場合もありますので、しこりや腫れがなくても早めに医師による診察を受けることが大切です。

16歳の柴犬に最適な生活環境について

柴犬が16歳になると生活環境を高齢犬用に調整する必要があります。足腰の筋力が低下しますので、負担を軽減するためにフローリングの場合は、カーペットを敷いて転倒することを予防してあげましょう。粗相をしてしまうこともありますので、洗えるカーペットやタイルカーペットがおすすめされています。視力が低下しますが、柴犬は感覚的に家具の配置を覚えていますので家具の配置をかえない事も大切といわれています。

16歳の柴犬は、寒さに弱くなってしまいますので家の中で飼ったり玄関に居場所をつくってあげることが理想的です。外で飼っている場合は、秋冬でも日当たりがよすぎるサンルームにいると熱中症の危険があります。柴犬は乾燥に強いですが、日が当たらない場所でも高温多湿の状態では熱中症を引き起こす可能性がありますので、風通しをよくしてあげましょう。高温多湿の日は、エアコンや除湿器を利用して湿度を下げる対策も重要になります。

特に16歳の高齢犬は、温度管理が上手くできませんので夏は涼しくて冬は暖かい環境に整えてあげることが大切です。具体的には、夏は直射日光を避けて冷房のある快適な場所を確保してあげましょう。一方、冬は毛布を用意して心地よく過ごせるスペースを整えてあげると柴犬は安心します。柴犬が16歳になると寝ている時間が長くなりますので、快適に眠るためにも心地よい寝床やスペースを用意することが大切です。

まとめ

柴犬は比較的丈夫な犬種で利口で健康的なイメージがありますが、高齢犬になり16歳をむかえると若いころと比べて体力が低下するだけではなく身体のさまざまな機能も低下します。ですから、病気に早く気付くためにも日々のスキンシップによるコミュニケーションがとても大切です。このころの柴犬は、活動している時間よりも寝ている時間が長くなりますので、高温多湿さけて快適なスペースを用意してあげましょう。

いろいろな病気にもかかりやすくなるため、ブラッシングや歯磨き、爪切りなど身の回りのケアを毎日してあげることも大切です。

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