飼い方・しつけ

柴犬にしつけをして、お手をマスターさせる方法

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歴史ある日本犬6種類の中でももっとも小柄な柴犬の特徴は、丸く巻いた尻尾と三角形の耳です。その凛々しい姿から、海外でも人気があり、アメリカンケネルクラブの人気犬種ランキングにおいて2010年代は、40番台をキープしています。かつては番犬として外で飼うのが常識でしたが、現在は室内で飼うお家も多いです。大きすぎないサイズと、きれい好きな性格を考慮すれば決して間違った選択とは言えません。しかし他の犬種と同じようにしつけに失敗すると、家族を噛んだり家具を壊したりしてしまいます。人間にとっても柴犬にとっても快適な生活ができるように、しっかりとした指導が必要です。

さらに、お手やお座りを教えてコミュニケーションをとれるようになれば、もっといい関係を築いていけるでしょう。

しつける前に柴犬の基本的な習性を覚えてください

柴犬は縄文時代に狩猟犬として日本に連れてこられたという説が一般的です。縄文時代は狩猟採集時代ですから、柴犬たちは飼い主たちの狩りを手伝っていたようです。狩りに向いている性格はしつけを困難にする場合もあるので、しっかりと理解することが求められます。眼前を飛び回る羽虫などを追いかけて行くのは、狩猟犬としての本能によるものです。場合によっては変なものを食べてしまったり、子供のオモチャを壊してしまったりします。

一番問題となるのは人間の子供を追いかけてしまうことなので、散歩中はリードをしっかり持ってください。子犬のうちに目立つ習性ですが、追いかけ癖がひどいときはストレスが溜まっている可能性もあります。ストレスの発散方法を考えてあげましょう。追いかけることと同じく狩猟本能が原因の習性としては、かじり癖もあります。テーブルの脚や自分のハウスなどを鋭い歯で傷つけます。さらにタオルや手袋などはかじった後にブンブンと振り回すのが常です。

振り回す行為は獲物にトドメをさすことの名残りだという説が有力で、子犬のうちに行うのは多めに見てあげてください。初めて柴犬を飼う人がためらうのが犬のマーキングです。マーキングとは、散歩をしていると電信柱の臭いを嗅いでからおしっこをかける行為です。これはテリトリーを主張することと犬同士のコミュニケーションです。電柱からする臭いで、自分の前に通った犬の性別や大きさがわかるのです。

柴犬の社会生活に欠かせない、基本のしつけです

群れのリーダーに忠実な性格を持つ柴犬は、しっかりしつければ良いパートナーになってくれます。しつけとは、お手やお座り、待てなどの指示に従わせることと、人を噛まない、他の犬に飛びつかないなど、マナーを守らせることがあります。トレーニングを始めるべき時期は、ペットショップやブリーダーから子犬を引き取ってすぐです。これはつまり、柴犬の子犬を買いはじめる前にしつけの方法を覚えるべきである、ということです。

犬は活発に動きはじめる生後1カ月から3カ月くらいまでが、物覚えがいい時期です。この時期に覚えたことは忘れにくいので、しっかりしつけると効果的です。一番大切なのは、飼い主がボスでありリーダーであるという意識を植え付けることです。一見すると可愛そうですが、犬には序列に順応する習性があるので問題はありません。そのために飼い主が守るべきことは多くあります。人と一緒に食事をしないことを習慣にすることは重要です。

群れのボスが終わるまで、他の犬は食事ができないルールがあるので、おねだりされても応えてはいけません。またソファーやベッドなど人が座ったり寝るものには上げさせないことも大切です。犬は同じ場所に立てると同じ序列だと考えるので、指示を聞かなくなり、お手を覚えることもなくなります。さらに散歩のときは人間より後ろを歩かせるのを習慣づけることも必要です。自分が生きたい方向に行ける、すなわちリーダーであると錯覚してしまうので良くありません。

お手の前にアイコンタクトとお座りを覚えさせます


主従関係を築けたら、愛犬とアイコンタクトを取れるようにしましょう。柴犬は、よく知らない相手からじっと目を見られた場合には敵対心と受け取ります。ですが信頼できる飼い主から名前を呼ばれて目が合った場合は、飼い主の指示を待つようになりますから、お手のマスターに一歩前進します。アイコンタクトを覚えるトレーニングとしてはまず、おやつを手の中に握って柴犬の鼻先に出します。臭いに反応したら、飼い主は手を自分の顔の前に持っていき、犬と視線を合わせます。

犬がなかなか自分の顔を見てくれなくても、じっと待ちます。ようやく視線がぶつかったら、そこで犬の名前を呼んでから、ほめておやつをあげます。ほめるときは明るい声でいいねなどと言って、空いているほうの手でなでてあげてください。最初は意味がわからなくても、繰り返していれば次第にほめられていることを理解します。このトレーニングに慣れてくると、犬は飼い主と目を合わせてから指示に従うのが当たり前になります。

続いてお座りのしつけです。犬はお尻が地面に着いていると落ち着く習性があるので、追いかけ癖や噛み癖を矯正するのにも有効です。お手をする準備の体勢というだけではありません。先ほどと同じようにおやつを握った手を柴犬に嗅がせます。次に手を犬の頭の上あたりに持っていきます。そうすると犬は自然とお座りの体勢をとりますし、飼い主とアイコンタクトもとれます。お座りができたらおやつをあげて、ほめます。

最初はなぜほめられているのか理解できませんが、繰り返しているうちに座ることが良いことなのだ、と把握するようになります。

芸の定番であるお手はこうやって覚えさせます

ドッグトレーナーの間では、お手はしつけというよりも芸の一種として認知されています。危ないことをやめさせることや、落ち着きがない犬を座らせることほど重要ではないと思っているわけです。ですが、お手を覚えさせることに問題があるわけではないのですし、爪を切るときに飼い主が楽になるというメリットもあります。ですから柴犬と楽しい時間を過ごしたいと思っている人は、以下の手順でマスターさせるといいでしょう。

まずお座りの姿勢をとらせてから、犬の右前足の前に手のひらを出します。柴犬は意味がわからないのでポカンとしているはずですが、多くの犬は困ると前足を出す習性があるので期待して待ちます。どうしていいかわからなく困って手を出してきたら、5秒から10秒その状態をキープしてから、おやつをあげたり、なでたりしてほめてあげます。他のトレーニングを同じように、繰り返しているうちと人間が手を出してきたら、前足を乗せればいい、ということを学習します。

もし困っても前足を出さない場合は、人間が前足をつかんでお手のポーズをつくり5秒から10秒キープしてください。キープの体勢に我慢できたら、ほめてあげます。お手をさせるのを右前足としたのは、コンテストのルールでお手は右、おかわりは左と決まっているからです。コンテストに出す予定がなく、愛犬が左前足を使いたがっているようなら、左で行わせても差し支えありません。

まとめ

柴犬は狩猟犬をルーツとしていて、オオカミを祖先とする犬の習性が強く残っています。なので、しっかりとしつけをする必要があります。それが上手く行けば、飼い主に忠実な性格を持っているので、近所でも評判のワンちゃんとなるでしょう。お手を覚えさせるためには習性をよく理解したうえで、アイコンタクト、お座りを先にマスターさせるのがいいです。成功させる秘訣は、信頼ある主従関係です。

飼い主のことを信頼できるボスと認識させることが、しつけのベースになります。しつけが行き届いた柴犬が散歩をしていれば、他のドッグオーナーも声をかけてくれるので犬にとっても人間にとっても充実した生活が送れるはずです。

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