健康

柴犬が首回りを痛がる2つの病

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犬の種類によってかかりやすい病は微妙に違うようです。例えば柴犬の場合、アレルギー性皮膚炎や外耳炎、膝蓋骨脱臼症などの疾患にかかりやすいことが分かっていますが、首回りを痛がる時は頚椎すべり症や椎間板ヘルニアを発症している確率が高いでしょう。いつもと違う反応をするようなら、すぐに獣医さんのところに連れて行き、診て貰った方があんしんです。軽度のうちに病を突き止め、適切な治療を開始すれば、病気がそれ以上悪化しないよう食い止めることも可能です。

ペットショップでも人気ナンバー1の柴犬は、日本でも縄文時代までルーツを遡ることができ、とても丈夫で賢い犬種ですが、病魔に襲われても自分では訴えることができないので飼い主が気づいてあげるしかありません。

柴犬が首周りに触れられるのを嫌がるのは病のサイン

元々犬は首回りを撫でられるのを好みます。マッサージすると気持ち良さそうにしてくれるものです。そのため、いつもなら喜ぶのに首回りに触れられるのを突然嫌がるようになったら、何らかの病を発症している恐れがあるので楽観視は禁物です。まず、触れられるだけでギャン、と鳴くようなら明らかに異常が生じています。鳴き声が大きくなるほど、触れられている柴犬の痛みも大きいと判断することができます。

何らかの理由で首を痛めている場合、首回りはもちろん、頭を撫でられることも嫌がる可能性があると注意しましょう。優しく撫でても、デリケートな状態になっている首回りには負担が大きく、そっと手を置いただけでも強烈な痛みが発生することがあります。痛みが強いと、頭や首に手を近づけただけで自衛本棒が働き、噛み付くような素振りをされることもあるようです。ブラッシングの時、首回りの異常に気づくことも珍しくありません。

いつもは問題なくブラッシングできるのに、妙に首のあたりを嫌がる場合、不自然に頭を下げる場合は触れて欲しくないサインかも知れません。ブラッシングの時、ある程度力を入れなくてはいけないので、痛い部分に力が加わると激痛に繋がることもあります。お散歩の時、リードで引っ張られるのを嫌がり、首の異変を発見するのもよくあるパターンです。首輪に力がかかってしまった時、妙に大きい声で鳴いたりリードで引っ張られるのを嫌がるようなら、病気やケガをしている可能性があるので原因を確かめておいた方が安心です。

柴犬は椎間板ヘルニアになりやすい犬種

椎間板ヘルニアのせいで首の付近に異常が出ることもあります。実は、柴犬は椎間板ヘルニアになりやすい犬種なので注意が必要です。柴犬が椎間板ヘルニアになってしまう原因は1つではありません。脊髄の内部に通る神経に何か異常が生じて発症することもあれば、加齢や運動のしすぎが原因になることもあります。いずれにしても、何らかの理由で椎間板の形が歪み脊髄を圧迫するようになると、椎間板ヘルニアになってしまいます。

発症直後は、背中や首回りに触れると痛みが生じるせいで、ボディタッチやマッサージ、ブラッシングを嫌がるようになります。足腰がフラフラしてしまうなど歩き方がおかしくなり、病院に行くケースが大半です。症状がどんどん重くなると排便や排尿も難しくなってしまい、自分で立ち上がってトイレの場所まで行くこともできなくなります。初期に発見できれば投薬治療で治すことができますが、重症化してから病院に行っても薬だけでは治りません。

外科的手術で対応するよう提案されるはずです。また、手術を受けても完治するとは限らず、手術自体が成功しても元通り回復するまでには長時間かかります。手術は柴犬にとっても大きな負担になる治療法なので、できれば外科手術を宣告されるまで悪化しないうちに、早めに病院を受診したいものです。いつもとは違う歩き方をしていないか、妙にブラッシングを嫌がっていないか、毎日暮らす中できちんと観察してあげましょう。

頚椎すべり症が原因で柴犬がヨロヨロ歩く


頚椎すべり症が原因で柴犬が首回りを痛がることもあります。ウォーブラー症候群とも呼ばれる頚椎すべり症は、首の長い大型犬がかかりやすい疾患ですが、ごく稀に柴犬がかかることもあります。頚椎すべり症になると、首を動かしたあけで痛みが生じるので、頭を低いポジションでキープしようとします。触れられるのも嫌がるはずです。病状が悪化するとフラフラとまっすぐ歩くのが難しくなり、ヨロヨロ歩くようになります。

さらに病が進行すると立つことも困難になります。頸部の痛みや四肢の麻痺、歩行困難や運動障害など深刻な症状が引き起こされますが、恐ろしいことにこの病の明確な原因はまだ突き止められていません。脊椎の形成に異常が見られるせいで発症する説もありますが、成長スピードがはやすぎることや成長過程で栄養素が足りなかったことなども原因として指摘されています。外傷や遺伝説を唱える専門家もいますし、椎間板の突出や奇形が原因だと考える方もいるようです。

いずれにしても、柴犬の様子がおかしいと感じたら、すぐに病院に連れて行きましょう。発症しても初期の段階なら、頸部を固定し運動を制限することで病気の進行を抑制することができます。鎮痛剤で痛みを和らげ、消炎剤で進行を抑えることもできます。こういった内科療法で良くならない時、既に重症化している時は精髄圧迫除去のために外科的手術が行われることもありますが、手術を避けるためにも早期発見早期の治療開始が理想的です。

柴犬が妙に首周りを掻く時も病気の可能性が

犬が首回りや身体をボリボリと掻くことは当たり前の光景です。むしろ身体をまったく掻かないワンちゃんの方が珍しいでしょう。ただし、いつもより妙に掻く回数が多い、皮膚が荒れるほど掻きむしっているようなら、発病している可能性があるので病院を受診する必要があります。皮膚炎は外耳炎と1位、2位を競うほど柴犬がよくかかる病の1つです。単純に乾燥しているせいで痒みが生じているケースもありますが、虫刺されやアトピー、アレルギーが原因で痒みに襲われることもあります。

細菌や外部寄生虫のせいで痒くなっているケース、自己免疫疾患が痒みを引き起こしているケースもあります。また、外耳炎になると耳が痒くなりますが、ピンポイントで耳を掻くのは柴犬には難しいため、なんとなく首回りをボリボリやるケースも考えられます。換毛期で抜け毛がまとわりついてしまって痒がっている場合、毛玉ができてしまっている場合はブラッシングなどで流れを整えてあげると痒みも治まりますが、病的な痒みに耐えているようならすぐに受診して下さい。

ちなみに、毛が複雑に絡み合ってしまっている場合、素人がブラッシングだけでときほぐすのは難しいので、最初からトリマーさんにお任せした方が安心です。強引なブラッシングをすると、後々ブラッシングを嫌がるようになってしまいます。その他、腫瘍のせいで痒くなる場合、心因性のストレスで掻き毟る場合も報告されています。

まとめ

柴犬は姿が愛らしいのが魅力で、時代のはやりすたりに影響されずとても人気があります。しかも、他の犬種よりも比較的丈夫な性質があるのえ飼いやすい種類ですが、かかりやすい病もいくつかあるので注意が必要です。どの病も早期に発見し、適切な治療をすぐに始めることで重症化を防ぐことができます。いつもと違う様子で首回りを妙に痒がっている時、痛がっている時は迷わずに受診した方が良さそうです。

最悪の場合手術を行うこともなりますが、小型犬にとって外科的手術は負担がとても大きく、できれば投薬治療で何とかするのが理想的です。

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