飼い方・しつけ

いやいやをする柴犬をブラッシング好きにする

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柴犬の毛並みを綺麗に整えるには専門のお店でトリミングをしてもらう方法もありますが、毎日通うわけには行かず家庭で小まめにブラッシングをしてケアをすることが大切です。しかし、柴犬は大変頭が良く一度ブラッシングを嫌いになってしまったらご家族が道具を取りに行く仕草を見せただけで警戒行動をするケースもあります。

ブラッシングは柴犬の体毛を整えて美しく見せるだけではなくダニや寄生虫などの防止、血行や新陳代謝の促進などさまざまな効果が期待できるため、何とかして好きになってもらい作業中はじっとしてくれるように躾けたいところです。

人懐っこい一方で実は警戒心が強い柴犬

柴犬は日本原産の日本犬の一種で古くは縄文時代から狩猟犬として人間と共に暮らしていたという記録が残されているほか、1936年には天然記念物に指定されています。その名前の由来には諸説ありますが、「柴」とは小さな雑木が語源の言葉で、犬の中では小型から中型程度の比較的小さな体でありながらも筋肉質で俊敏な動きが得意な逞しさとかわいらしさを兼ね備えた姿から柴犬と名付けられたという説が有力です。

現代のペットとして幾度と無く品種改良が重ねられて繁殖している柴犬はかわいくて人懐っこいのも人気の秘密ですが、元々は非常に警戒心が強く余程心を通わせない限りは心を開かない性質があり番犬としても活躍していました。その代わり一度仲間だと認識すれば強い絆で結ばれ、心を許して甘えるようになってくれるのも柴犬の魅力です。

そんな過去の本能の一部は現代の柴犬にも引き継がれており、耳や顔を触られるのを嫌うケースもあるのには理由があり、野性の世界では油断をして外敵に耳や顔に触られるまでに至れば、途端に致命傷を負う可能性もあります。その名残りから現代においても、どんなに信頼を置いているご家族であっても耳や顔に触れられると警戒行動をすることがあるのも特徴です。もしもいやいやをするなどの行動を行ったとしても決して叱ることなく、柴犬が持つ野生の本能に触れられた喜びを感じながらじっくりと向かい合って根気強く信頼感を醸成して仲良くなりたいところです。

日常的に小まめにケアしてあげるのが大切

柴犬の毛のお手入れはトリマーなどプロのスタッフが対応してくれるお店に依頼するのがいちばんで、柴犬の扱いに慣れておりいやいやをするタイプであっても上手にじっとしてもらうことができるのに加えて、優れた技術と経験によって手厚いサービスが期待できます。しかし、流石に毎日通うのは費用の面でも時間の面でも非現実的で、ご家族の方が日常的に小まめにケアしてあげるのが大切です。

しっかりとブラッシングを行えば体毛が毛玉になって絡まったり汚れが付着しやすくなるのを防いだり抜けた毛を落とすことで美しさを保つことができるのはもちろんのこと、マッサージ効果によって血行や新陳代謝の促進も期待できます。散歩をしていろいろな場所へ立ち寄った後で行えば、毛の間に入り込んだ汚れだけではなく寄生虫やダニなどを落とせるので、皮膚の疾患や他の疾病の原因を取り除くことができるのも大きな要素となっています。

このように柴犬にとっては毎日健やかに暮らすためには重要で、手間を惜しまずにケアをしてあげたいところです。できることなら毎日継続して行い上記のメリットを享受しつつ柴犬に慣れてもらって、いずれはいやいやをしなくなるのを目指すのに加えて、スキンシップによってさらに絆を深めることもできます。また、目視や手触りによってほんの少しでも変化を感じることがあればすぐに最寄の獣医師に相談し、怪我や病気の早期発見、早期治療にも役立ちます。

いやいやをするのは過去に原因があることも


柴犬がいやいやをするのは前述のように元々は狩猟犬だったことから警戒心が強い名残があることに加えて、過去に何らかの原因があることもあります。特に柴犬は数ある犬種の中でもトップクラスに頭が良く、過去の出来事を良く覚えています。毛玉や汚れを落としたり、ダニや寄生虫を防止しようと思うとついつい強く擦ってしまい、知らず知らずのうちに作業中に痛みを与えていたり、本当はすぐに遊びに行きたいのに長時間じっとしているのを求められたりしたのも記憶に残っていることも考えられます。

また、動いてしまうと叱られたなどの経験があると作業をする際にいやいやをしたり、必要な道具を取りに行くのを察知しただけで警戒行動をする姿を見た経験がある方も少なくありません。一見するとじっとしていたり、気持ちよいのかと思ってみても、実は大切なご家族から命じられたことを忠実に守るために嫌なのを我慢していることもあります。

そこで作業中は柴犬の表情や仕草を観察して、もしもいやいやをする素振りが見えたら、痛みを与えていないかを確認してやさしく行ったり、全体の時間を短くするなどの対策を行います。それでも汚れが強い場合や明らかに寄生虫やダニの存在が認められる場合には、たとえいやいやをしても行わなければならないケースもあります。そんな時は当然実行しますが、その後でよく我慢して頑張ったことを柴犬の頭を撫でたり抱きしめることで表現して褒めてあげることが大切です。

いやいやをする柴犬でも好きにさせる方法

本当に嫌いになってしまった場合は道具を見せただけでも警戒行動に移り、場合によっては強く吠えたり威嚇して来る場合もあります。そんな時は作業を行わずに、まずは道具を見せたり床に置くなどして、これは決してあなたを傷つける目的の物ではないことを定着させます。道具を見て警戒しなかったり威嚇をしなければ褒めてあげたり、エサやおやつを与えて道具が出てきた後に良いことがあると教えていきます。

慣れてくるとブラシを身体に触れる程度にして放し、その後に褒めたりおやつを与えるようにして慣らしていき、やがてブラシが長時間身体に触れても警戒行動や威嚇をしないようになれば作業を行えるチャンスです。もうひとつの方法はブラシを使うこと、気持ちよくなるという感覚を覚えてもらう方法です。毛を整えたり汚れが落ちれば気持ちよいのは柴犬も人間も同様で、ブラシを使うことでインセンティブがあることを教えます。

はじめは少しでもいやいやをするようであれば止めるという短時間に留めて、少しずつ時間や範囲を広げて行きます。作業が終わったら必ず褒めるのを忘れないようにするのはもちろんのこと、エサやおやつを与える方法と併用すればやがて道具を取りに行く仕草を見せるだけで、柴犬の方から尻尾を振って喜びながらいつも作業を行うポジションに移動してくれるまでになります。精一杯の愛情を込めながら、これを行うことが清潔や健康であなたのためになると分かってもらうのが大きなポイントです。

まとめ

どんなに大切なことでもかわいい柴犬にいやいやをされるとついつい止めてしまいがちですが、皮膚病や疾患を防止したりいち早く異変を発見するためにもブラシを使ってケアをしてあげるのは重要です。日頃から愛情を込めて接してご家族が耳や顔を触っても受け入れてもらえるような信頼関係を構築しておくのはもちろんのこと、ブラシを身体に当てることで綺麗になるだけではなくマッサージ効果も期待できることを分かってもらいたいところです。

スキンシップと健康維持でいつまでも柴犬と仲良く暮らすためにも、毎日しっかりとしたケアを行なうのが大切です。

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