飼い方・しつけ

柴犬の子犬に多い気が強い性格への接し方

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柴犬の子犬を飼ったら、とても気が強いことが分かって困ったとき、飼い主さんがとるべき行動をご存知でしょうか。初めて柴犬という犬種に接した飼い主さんの中には、イメージと違った性格に驚き、どうすれば良いのか戸惑っている人も多くなっています。体を叩いたり押さえつけたりするなど、誤ったしつけをしてしまうと狂暴になることがありますから、注意が必要です。可愛い愛犬と末永く家族として暮らしていくためにも、性格を良く理解しなければいけません。

これから困った柴犬の子犬への対応方法と、気が強い性格で注意すべきことなどを紹介していきます。

柴犬の子犬は可愛らしいより気が強い方が本質

まろまゆの可愛さ、豆柴のフワフワしてヨチヨチした歩き方などから、優しく従順なイメージを柴犬に対し持っている人が多くいます。ペットショップで、大人しい子だから初めての人も大丈夫だと勧められたら、迷わず飼ってしまう魅力があります。家に連れ帰って来たら飼い主の言うことを聞かず、気が強い性格で、噛まれることが心配になるほどだったという人もいるでしょう。確かに、個々の性格に違いがありますから、大人しい子もいます。でも、よくよく考えてみてもらえば分かりますが、昔は猟犬や番犬として飼われて来た犬です。

優しくて弱い犬種だったら、そんなことはさせられません。ですから、「気が強い」性格であることが柴犬の本質だと考えて接したほうが良いです。「豆柴」という呼び名で柴犬の子犬が売られるようになってから、勘違いする飼い主さんが多くなっています。子犬のときは経験が少なく何も知らないのですから、吠えたり噛んだりするやんちゃな子が多いのは当たり前です。ペットショップで大人しいのは、店員さんやその場所に慣れているからでしょう。

知らない家に来て知らない人たちに囲まれ、見るもの聞く音が初めてだったら、本能で自分を守ろうとします。本来守ってくれる「親」がいないのですから、柴犬の子犬が自ら頑張って吠えて唸って危険を回避しなければなりません。飼い主さんは、歯をむいて唸って来ても力任せに押さえつけてはダメです。子犬が自分で、危害を加える人たちではないことと安全な場所であると認識してくれるまでは、自由にさせてあげましょう。

何もできない柴犬の子犬を気が強いからと飼育放棄するのは間違い

気が強い柴犬の子犬を狂暴で手に負えないからと、保健所に連れて行く飼い主さんがいます。でもじっくり考えてほしいのですが、人の赤ちゃんだって生まれたばかりの時は何もできません。お腹が空いたとき、怖いことがあったときなど泣いて知らせるくらいで、親が良く面倒を見る必要があります。柴犬の子犬は、すでに自分で歩き回って吠えて、色んなことができるように感じてしまいます。でも、ペットショップやブリーダーさんが社会化やしつけをしてないなら、何もできない人間の赤ちゃんと同じ状態です。

何もできない柴犬の子犬に、どうやって生きていくべきか教えることができないのであれば、本来なら飼うべきではありません。しかし家族の一員として迎え入れたからには、「気が強い」本質を受け入れ、その子にあった対応をしていかなければなりません。新たな家に来て興奮した柴犬の子犬が、ある程度落ち着きを取り戻したら、その子のことを十分把握するため観察を始めましょう。気が強い性格を発揮して、吠えたり唸ったりするのはどんなときなのかを確かめます。走り回りエネルギッシュな子なら、おもちゃで遊ぶことが大好きでしょう。

でも、おもちゃを取られそうになると唸っていつまでも離さない、そんなことはよくあります。無理に奪い取るのではなく、飽きるまで遊ばせてあげることが大切です。愛犬に奪われると困るものは届く範囲に置かないようにして、カーペットやクッションにソファなどは噛まれたり破かれたりするのが当たり前だと考えておきましょう。

柴犬の子犬の気が強くて噛んだものを離さないときの対応


口でくわえて噛んだものを意地でも離さない、唸って飼い主さんの手を噛もうとして来るとき、しつけと称して叩いたり怒鳴りつけたりしてはいないでしょうか。その方法では離さないばかりか、飼い主さんが愛犬から嫌われてしまい、余計に狂暴化してしまう恐れがあります。優しい声でおやつと交換しようと声をかけながら、目の前におやつを見せます。口を離しておやつを食べに来てくれたら、いい子だと褒めましょう。このとき、触られることに慣れていない子は、おやつを食べさせるだけにして頭を撫でることはしません。

食べているときに触られることを嫌がり、噛み付いて来ることがあるため、言葉だけにします。もちろん、すでに体を触らせてくれる子であれば、顔や頭を撫でてあげても構いません。おやつを見せても噛んだものを離さない場合は、犬用のおもちゃを見せて交換しようと話しかけてみましょう。失敗しても何度も挑戦し、優しく「交換しよう」と声をかけることが大切です。口から物を離したとき褒められる体験が徐々に理解できるようになって、「交換しよう」という言葉の意味も分かってきます。

おやつが貰える、あるいは褒められることが十分理解できれば、気が強くてもいつまでも噛んで離さないということが、だんだんと無くなっていくでしょう。人に対して甘噛みではなく本気で噛み付いた時は、叱ることをしないと悪いことだと理解させることが難しいです。でも、人の言葉がわからない柴犬の子犬に対して怒鳴りながら頭を叩いても、危害を加える人だとしか認識しない場合があります。低い声で「ダメ」と言って引き離す、しばらく無視することで悪いことだったと理解させる方法も、何度も繰り返さなければ覚えません。

「ダメ」がしてはいけないことをしたとき飼い主さんが言うことだと理解するまで、何日もかかる場合があることを知っておきましょう。

柴犬の子犬の行動は気が強いからではなく人見知りによる場合も

ブラッシングしてあげようと近づいたら唸る、顔を撫でてあげようとしたら吠えるなど、一見気が強いための行動に思えますが、単に人見知りという性格から来ているかもしれません。犬にも対人や対犬関係を苦手としている子がいて、ある程度の距離を保った関係を好む場合があります。それは、柴犬がまだ子犬で経験が浅いことが関連している場合と、もともと人見知りで犬見知りという場合があります。

飼い主さんがよく観察していると気が強いことによるものか、人見知りによる拒否反応か分かって来ますので、嫌がることを無理にしないようにしましょう。特にお散歩に出かけるようになったとき、社会化のためと行って犬見知りである子に犬同士のあいさつをさせようとしてはいけません。ストレスが溜まり、心を壊してしまうことがあるからです。耳や尻尾の状態、体の震えや吠え方などから「苦手」だと全身で表していたら、相手の飼い主さんに犬同士のあいさつができないことを伝えて交流を回避してあげましょう。

愛犬ができること好きなことから徐々に伸ばしていき、年齢や経験を積み重ねれば自然に交流できるようになって、改善を目指せるでしょう。もしずっと人嫌い犬嫌いが成犬になって続いたとしても、無理をさせて心の病気になってしまうことのほうが大変です。人に噛み付くようになって、家族以外の人にも危害を加えるようになったりしたら、家族として一緒にいられなくなってしまう場合があります。柴犬の子犬を観察し健康に配慮しつつ、互いに楽しく過ごせる方法を飼い主として見つけてあげることが大切です。

まとめ

柴犬の気の強いところは、子犬のときから現れるととても大変です。でも柴犬の本質や、その子の性格を把握すれば、どんな接し方が良いのか段々と理解できるでしょう。しつけをすることで改善したり、年齢や経験を積み重ねたりすることで良くなる場合があります。しかし成犬になってから手に負えない状態になると、プロでも再度しつけをやり直すことは難しいほど、気が強い部分があります。柴犬を育てることが初めてな飼い主さんが戸惑うような性格の子だった場合、まだ子犬のうちからしつけのプロに相談しましょう。

正しい対応方法を飼い主さんが知ることは、愛犬のすこやかな成長のために欠かせません。

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