飼い方・しつけ

走るのが好きな柴犬、走らない時の原因は

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日本人と古くから親しんできた犬種にして、国内外でかなりの人気を誇る「柴犬」。既に一緒に暮らしている人も、これから一緒に暮らしたいと思う人も多いはずです。しかし柴犬については、あらかじめ知っていないと困ってしまうポイントもあります。愛犬と飼い主がどちらも快適に暮らすためには、それを押さえて気持ちの準備をしておきましょう。そうすれば、いざという時も冷静に対応できるはずです。

柴犬暮らすうえで知っておきたいのは「それなりの運動量が必要である」ことと、その反面「突然動かなくなる場合もある」ということです。ここではそれぞれの理由と、動きたがらない時の対処方法について解説します。

柴犬は歩くことや走ることが好きな犬種?

柴犬は猟犬として活躍した歴史のある犬種なので、活発で体を動かすことは大好きです。もちろん、走ることもかなり好きです。そのため、逆に運動不足だとすぐに太ってしまいます。理想は朝晩2回ずつ・各30分程度の散歩ですが、ただ歩くだけでは運動量が足らないかもしれませんね。柴犬も満足できず、知らない間にストレスを抱えてしまうかもしれません。よって、時にはドッグランなどで思い切り走らせてあげると良いでしょう。

ただしノーリードで走らせることができるのは、躾のできているワンちゃんに限ります。飼い主が呼んでも戻ってこない・他のワンちゃんをしつこく追い回すなどの問題行動があれば、ドッグランデビューは見送った方が安心です。柴犬は神経質で頑固な性格の個体が多い犬種です。独立心も強いため、始めはなかなか言うことを聞いてくれないかも知れません。ただし、その反面で主人と認めた相手にはとても忠実に従います。

大切なのは、上下関係がハッキリするまで根気よく訓練を続けることです。なるべく小さな子犬のうちから、そして「スキンシップを取りながら」行うと良いでしょう。と言うのは、柴犬は警戒心も強い個体が多いためです。体や顔、耳などに触れられるのに慣らすことで、飼い主に心を開いて訓練がしやすくなるはずです。もちろん嫌がっているのに無理やり触ったり、食事や遊びに集中している時に手を出すのはNGです。

柴犬の警戒心を高めてしまうだけでなく、思いがけず強い力で噛まれてしまう恐れもあります。

運動が嫌いな柴犬もいるみたいだけど?

ネットではしばしば、歩くことを拒否する柴犬の写真がアップされますよね。これは歩くことや走ることが嫌いな柴犬もいる、ということでしょうか。柴犬は基本的に体を動かすのが好きですが、もちろん中には「運動が嫌い」「外に出るのはイヤ」というワンちゃんも存在するでしょう。ただし突然動かなくなった場合には、他にもいくつかの可能性が考えられます。まず一つめは、飼い主に反抗しているケースです。

飼い主との上下関係が曖昧だと、犬は「自分がリーダーだぞ!」と逆に主張してきます。その結果、道に座り込んだり足を踏ん張ったりして進むのを拒否するのです。こんな時、抱っこしたり犬の進みたい方向へ行かせたりするのはダメ。犬は自分の方が偉いのだと思い込み、ますます上下関係が曖昧になってしまいます。次回からの散歩でもまた同じような行動を取るでしょう。ベストな対応は、リードを短めに掴んで強めに引っ張ることです。

飼い主の歩きたい方向へやや無理矢理にでも向かわせることで、柴犬も「この人には従わなければいけないんだ」と思い直してくれるでしょう。進む方向に「何か怖いもの」があることで、犬が進むのを拒否するケースもあります。例えば苦手な犬や過去に怖い思いをさせられた人物、大きな音がする工事現場などです。犬は非常に耳が良いので、飼い主が気づけないほど遠くの物にも反応してしまいます。

飼い主としては「え、どうしてここで⁉」という散歩拒否でも、犬にとっては「安全のため、ここで止まらざるを得ない」のです。

身体の異常や環境の悪さが原因の可能性も


身体に不調を感じている場合も、犬は運動をしたがりません。人間も同じく、体調が悪い時に外へ出たり長い距離を歩くのはイヤですよね。運動が大好きな柴犬でさえも、時には運動できるコンディションではなくなります。また、柴犬は遺伝的に関節の疾患を発症しやすい犬種です。代表的な疾患は、「膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼」。簡単に言えば、「ひざのお皿」が正しい位置からズレてしまう病気です。

発症すると「3本脚で歩く」「(脱臼を治すために)脚を後ろへ蹴り上げる」といった動作を見せることがあります。重症化すると強い痛みを感じるようになり、最悪の場合は治療しても正しい位置には戻せません。愛犬の行動に何か不審なものがあれば、すぐに動物病院で検査を受けてください。「思いきり走りたいのに脚が痛くて走れない」というのは、犬にとって何よりのストレスです。置かれている環境が動くのに適さない場合にも、犬は歩いたり走ったりするのを拒否します。

例えば、照り返しがきつい真夏のアスファルトなどです。歩けば当然肉球を火傷してしまいますし、人間より身体が地面に近いので、暑さをよりダイレクトに感じます。こんな状態で歩くことを強要するのは酷というもの。夏はなるべく涼しい時間に外へ連れ出すなど、犬の目線になって配慮してあげましょう。また比較的涼しい時間帯でも、地面にガラス片など危ないものがないか注意してあげるべきです。歩くと足元が危ないために、犬は歩くのを拒否している可能性もあります。

突然走り出すのは訓練が足らないせい?

運動の拒否とは反対に「道で突然走り出す」「自宅でいつも走り回っている」といった行動も、柴犬との暮らしでは注意すべきです。犬が突然走り出すことは「犬走り」と呼ばれ、実は柴犬によく見られます。犬走りの原因は様々あると考えられますが、特に興奮やストレスを発散したい時に行うことが多いようです。柴犬には神経質な面がありますから、些細なことでも気持ちが高ぶりやすいのかもしれませんね。

また嫌いな犬・人間に会った時や、運動量に満足できない時にも犬走りを行います。嬉しくて興奮している可能性も考えられますが、どちらかと言えばネガティブな気持ちを発散させるために走ることが多いようです。よって犬走りが見られたら、愛犬が何か不満を抱えていると考えた方が良いでしょう。公道で急に走り出すと、事故やケガの危険があります。散歩の時間を長くする・好きなオヤツやオモチャを与えるなどの対応で、飼い主が不満を解消してあげましょう。

愛犬をコントロールできない原因は、訓練が足らないことが全てではありません。犬にだって、自分の気持ちを抑えられない場面が時にはあります。そんな時は叱るよりも、犬がどうして暴走しているのか、その原因を考えてあげるのが先です。よって、愛犬を制止できなくても落ち込む必要はナシ。飼い主がオロオロしていると、愛犬も不安な気持ちになってしまいます。よく懐いた「ご主人様命」な柴犬なら特に、飼い主はいつも冷静な頼れる存在でいたいですね。

まとめ

柴犬の犬種としての特徴と、歩くこと・走ることを拒否する原因について解説しました。柴犬は動くのが大好きな犬種なので、時々思いきり走らせてあげると運動不足やストレス解消になります。一方でそんな柴犬が走りたがらない・動きたがらない場合には、何か原因があるかもしれません。犬は言葉で気持ちを伝えることができないので、その都度飼い主が原因を考えてあげることが重要です。

自分の気持ちを分かってくれる飼い主なら、柴犬もきっと厚い信頼を寄せてくれるでしょう。こまめに様子を観察して、愛犬と良い関係を築いてくださいね。

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