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よそ者に厳しく家族に優しい柴犬

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柴犬は飼い主から「優しい性格」という評価を貰いますが、誰にでも優しいというわけではありません。柴犬は飼い主にはとても忠実な犬種ですが、他人には警戒心をあらわにし、時に攻撃的になることもあります。では、何故柴犬が優しいと言われているのかというと、それは飼い主や家族には甘えん坊になったり、優しく接してくれるからです。飼い主や家族には優しくても、それ以外の他人には態度を一変させる子も少なくはありません。

また、自分の飼い主や家族とそれ以外の他人をはっきりと区別していているとも言われています。要するに「他人に厳しく、身内に甘い」を見事に体現しているとも言えるでしょう。

柴犬のルーツ。実は全犬種の中でも古い歴史を持つ

柴犬と日本人の付き合いは縄文時代から始まったと伝えられています。実際に縄文時代の遺跡を発掘してみると、柴犬の直径の祖先とされる縄文柴の骨が発見されているので、その事実は明白と言えるでしょう。また国内だけではなく全世界の全ての犬の歴史の中でも最も古い歴史を持つのが柴犬と言われています。近年のDNA検査によれば柴犬が一番狼に近いDNAを持っていることが明らかになりました。柴犬は山岳地帯で繁殖していくことで犬種として成り立っていきました。

明治時代以降に洋犬の輸入が盛んになったことで、大正から昭和にかけて犬の種類も増えていきましたが、純日本犬の数が減っていったのもこの頃からです。これを危ぶんだ当時の愛犬家たちにより日本犬保存会が設立されましたが、戦争による犬の供出や戦後にジステンパーが流行したことで純日本犬の数は更に減少したことと、戦後という時代の飼育環境の悪さで柴の雑種が増えていったこともそれに拍車を掛けました。

こうした中で純粋な柴犬の中でも優れた個体同士を交配することで柴犬の復活を計ったり、縄文時代の特徴を復活させようと試みた愛犬家たちが日本犬保存会とは別の天然記念物柴犬保存会が設立されました。この団体は日本犬保存会のような団体が定めた標準とは異なり、スリムさと個性的な顔立ちが純粋な柴犬の標準としています。このように一度はその数が減少しかけた柴犬ですが、愛犬家たちの働きかけにより現在では海外でも人気の犬として広まっています。"

柴犬の性格。飼い主には忠実で「身内に優しく他人に厳しい」

柴犬は現在では愛犬として多くの家庭で飼われていますが、元々は狩猟犬として飼われてきた犬です。特に優秀な子は猟師の命令が十分でないときは自分で判断することができると言われています。このように自立心が高く、飼い主にベタベタ甘えてくるということが少なくクールな子が多いくいます。しかし、飼い主への忠誠心は高く、導入文にあるように、飼い主とその家族には優しい一面をのぞかせる子が多いのもこの犬の性格の特徴の一つです。

しかし、一方では飼い主以外の人には警戒心が強く、見知らぬ人には懐きません。これは見知らぬ人間に対してだけではなく、自分と同じ犬に対しても同様です。例え同じ犬であってもよそ者がである以上、全力で警戒し、自分のテリトリー内に侵入したのならば容赦なく追い出そうとする子もいます。そのため、ドッグランなどで他の犬と引き合わせる時には十分な注意が必要です。

柴犬が飼い主以外の人や他の犬に対して警戒心をむき出しにしたり、あるいは無関心だったりするのは、柴犬が狼に近いDNAを持ち、より野生に近いためです。多くの愛玩犬は長い時間を掛けて家畜化したことで人懐っこくフレンドリーな子が多いのですが、野生に近い部分を残している柴犬にとっては自分の飼い主やその家族以外の人間と他の犬は心を開ける相手ではなく、警戒しなければならない対象なのです。このような性格から愛玩犬よりも番犬の方が向いてるとも言えます。

「うちの子は優しいから」といって注意を怠ってはいけない


柴犬が優しいのは飼い主とその家族にだけなのですが、自分たちの前では優しい一面しか見せないため、「誰にでも優しい」と思い込んでしまうことがあります。「優しい」というのは決して間違いではないのですが、何度も述べている通りにそれは飼い主とその家族に対してだけです。狼が自分の群れ以外には心を開かないように、同じDNAを持つ柴犬も自分の飼い主やその家族以外には心を開きません。

飼い主や家族には優しいからといって、他人や他の犬と容易に交流を持たせようとすると思わぬトラブルを引き起こす可能性が非常に高いです。もちろん犬ごとの性格に差はありますが、「柴犬が優しいのは飼い主やその家族に対してだけ」ということを念頭に、家族以外の人や他の犬と引き合わせるときは飼い主が柴犬をしっかりコントロールできるようにしておかなければなりません。例としてお座りさせた柴犬を飼い主の脚の間に挟むという方法があります。

これは飼い主の間に挟まれることで柴犬に安心感を持たせるのと同時に、お座りの姿勢と脚に挟まっていることで相手に飛びかかって攻撃しにくくさせることができる手法です。身動きできなくするのは可哀想な気もしますが、これが周囲だけでなく愛犬をトラブルから守ることに繋がります。「うちの子は優しいから」と注意を怠らずに、きちんとコントロールできるようにしておくことも柴犬との上手な付き合い方と信頼関係を保つ方法です。

飼い主や家族には優しいけどしつけを怠るととんでもないことに

例え飼い主や家族には優しくてもしつけを怠ってしまうと飼い主にとっても危険となってしまいます。例え飼い主であっても柴犬が「この人は自分より下だ」と認識してしまうと、もう飼い主の言うことは聞きません。これは全ての犬に言えることでもあります。日本犬の中でも小型犬に分類されますが、狩猟犬でもあるのでその力は強いので、しつけを怠ってしまうとコントロールは不可能となってしまいます。

人気の犬種ということで無闇に交配されていった結果、攻撃的で凶暴な性格の子が生まれている可能性が高く、もしそんな子がしつけを怠った状態で放置されれば飼い主も攻撃されてしまう危険性があります。このようなことから、初心者には飼うのは難しい犬とされています。では、どのような人が向いているのかというと、きちんとリーダーシップを取れる人です。柴は自立心が高い犬なので飼い主の命令は必ず聞くというわけではありません。

その命令が間違いだと判断すれば自分でどう行動するかを決めてしまいます。この野生に近い犬を飼うには、可愛いからと甘やかさずにきちんとしつけができて、犬との信頼関係をしっかり結べるような人でなくては務まらないのかもしれません。また、狼に近いということは飼い主がしっかりリーダーシップを取れれば上手く信頼を結べるかもしれません。どんなに「飼い主と家族には優しい」と言われていても、信頼関係がうまく結べずしつけを怠れば、その優しさを見せてくれなくなってしまいます。

まとめ

柴犬は他の優しいと言われている犬と比べると気性が激しく、狩猟犬ということもあり攻撃性も高いので総合的に見れば優しいとは言い難いのかもしれませんが、優しいという評価が決して間違っているということではありません。狼に近いDNAを持ち野性的な部分を残した柴犬にとっては見知らぬ人間や犬は警戒すべき相手ですが、自分が認めた飼い主や家族には深い愛情を示すことのできる犬です。

どの犬を飼う時にも言えることですが、まずはその犬の性格や特徴をしっかりと認識することが大切です。特に柴犬のように警戒心が強く攻撃性の高い犬は飼い方を間違えると大変なことになってしまいます。

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