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柴犬の子犬の餌、与え方のポイント

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縄文時代の初め頃に、人間とともに南方のアジア大陸から日本列島に渡ってきたといわれているのが日本犬の祖先です。古くから猟犬として活躍し、人間のかけがえのない大切なパートナーでした。縄文時代の遺跡から、丁寧に埋葬された柴犬に似た犬の骨が見つかっていることからも、その関係の深さがうかがわれます。一時は絶滅の危機も訪れ、国の天然記念物にも指定されている日本犬の一種である柴犬は、日本犬の中で唯一の小型犬です。

辛抱強く信頼した飼い主に忠実で一途な性格は国内外問わず大変人気があります。そのような柴犬の子犬を家族の一員として迎えたとき、餌はどのくらいの量や回数を与えればよいのでしょうか。また、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

柴犬の子犬の餌の与え方、食物アレルギー

健康な柴犬に育てるためには、日々大きくなる子犬の時期の食事の管理が大切になります。柴犬に餌を与えるときは、月齢や年齢も考慮に入れます。子犬の時期は、体がどんどん作られている成長期なので、成犬よりも多くの栄養を摂取する必要があります。しかし、消化器官はまだ十分に発達しておらず胃袋も小さいので、一度にたくさんの餌を与えると食べすぎで嘔吐や消化不良を起こすこともあります。

そのため、一日に必要な餌の量を何回かに分けて与えます。月齢によって餌の種類や回数を細かく調整していくようにします。ただし、子犬の成長には個体差があるため、食欲や体調、便の状態などを見ながら進めましょう。また、食物アレルギーにも注意が必要です。食物アレルギーでは、耳や目の周り、唇、脇の下、後ろ足のつけ根などにかゆみを伴った赤い発疹ができるといったアレルギー性皮膚炎の症状があらわれます。

アレルギーを起こしている原因の特定は、動物病院でアレルギー検査を受けてみないとはっきりとは分かりませんが、犬は体質として穀物を消化することが難しいといわれており、これが消化不良やアレルギーの原因になることがあるようです。また、タンパク質も原因の一つだといわれています。餌の量を調整しても嘔吐や下痢などの症状が続くようであれば、グレインフリーといわれる穀物を除いて作られたフードや、あらかじめ分解されたタンパク質を使用しているフードに切り替えてみるのもよいでしょう。

柴犬に発疹が出ていたり、かゆがったりといったアレルギー性の皮膚炎が疑われる症状が出ているときは、早めに動物病院を受診し、アレルギー検査なども受けるようにします。

柴犬の子犬の餌の与え方、月齢別のポイント

自宅で出産したなど離乳食が必要な時期の柴犬の子犬には、市販の離乳食や高カロリーの専用フードを与えます。子犬用のドライフードを与える場合は、子犬用ミルクでふやかして与えるとよいでしょう。人間用の牛乳は下痢を起こすことがあるので与えないようにしましょう。生後2ヶ月頃の子犬を迎えた場合は、急な変化による胃腸障害を起こさないためにも、餌の量や回数、餌の硬さなどをそれまでと同じにします。

例えばペットショップで購入した場合はペットショップに問い合わせておくとよいでしょう。食事回数の目安としては、1日3~4回ほどになります。ドライフードを与える場合は、お湯でふやかすと消化しやすくなります。生後3ヶ月頃からは、一度に食べられる量が増えるので食事回数は1日2~3回ほどにします。ドライフードなど少しずつ硬い餌にも慣れさせます。

ただし、体が作られるスピードには個体差があるので、餌の種類や回数を変えることで食欲や体調に異常がみられた場合は、それ以前の食事の与え方に戻すなどしてゆっくり進めていきましょう。生後4ヶ月頃には、ほとんどの犬がドライフードもそのまま食べられるようになります。それ以降は、ペットフードの袋などに記載されている月齢・体重に合った推奨量を参考にしながら与えます。

生後8ヶ月頃からは、個体差はあるものの、ほとんどの犬が成犬に近い体つきになってきます。食事回数は1日2回ほどで、なるべく体重の増減が少なくなるような与え方を心がけます。子犬用から成犬用のペットフードへ切り替える時期ですが、いきなり新しいペットフードに切り替えるのではなく、それまで食べていたものに新しいものを少しずつ混ぜながら与えるとよいでしょう。

愛犬の便や体調の変化、食いつきなどを観察しながら少しずつ慣れさせていくようにします。

柴犬の子犬の餌の与え方、適量を知る方法と調整の仕方


柴犬にとって適した食事の量を知るのにはいくつかの方法があります。一つ目は、市販されているペットフードのパッケージに記載されている、そのフードを与える際の推奨量を参考にする方法です。その量を目安に、愛犬の体調や体格、運動はどれくらいするのかなども考慮に入れ、与える食事の量を決めるとよいでしょう。

二つ目は係数から計算する方法です。愛犬の年齢や月齢、体質などの係数を使用して1日に必要なカロリーを割り出します。次のような式を使います。
安静時の必要エネルギー=70×体重の0.75乗
1日の必要エネルギー=安静時の必要エネルギー×ライフステージ係数この式にあてはめ、例えば、体重5.4kg、生後6ヶ月の柴犬の子犬の必要エネルギー量を計算した場合、安静時の必要エネルギー量は247.9kcal、ライフステージに合わせた適切な餌のエネルギー量は495.8kcalとなります。

三つ目は体重から計算する方法です。成犬の場合、体重のおよそ2.5%の量が適切な食事の量だといわれています。育っている途中の子犬の場合は約2倍、高齢期の犬の場合は2~3割少なめの量を与えるとよいとされています。これらのように、愛犬の餌の適量を知る方法は様々ですが、犬が必要とするエネルギー量には個体差があります。子犬の場合、体がどんどん大きくなるため、毎回適量を割り出すのは難しいかもしれまえん。

そのような場合は便の状態を観察してみましょう。やわらかい場合は食事の量を少し減らし、逆に小さく硬い便になっている場合は、少し食事の量を増やしてみてもよいでしょう。

柴犬の子犬、食事が適量か見極めるには

月齢が上がり、子犬が成犬のような体つきにまで育ったら、体重の増減が少ない状態が適切な食事の量になります。食事の適量を知るには、体重をこまめに量るのも一つの方法です。しかし、毎日体重測定することは難しいようであれば、ボディーコンディションスコアという方法があります。これは目で見たり、手で触ったりして、愛犬が骨格に合った体型を維持しているかどうかを見極める方法です。

ボディーコンディションスコアの手順は次のようになります。まず最初に、肋骨を触ります。軽く犬の胸に手を添えて力を入れずに肋骨の上を上下にずらしながら触ってみます。このとき、やせ過ぎの場合は触らなくても肋骨が浮いて見えます。また、触るとすぐに肋骨に手があたります。太り過ぎの場合は指先に力を入れないと肋骨を触ることができない状態です。次に、ウエストラインの確認です。

犬の背中を上から見たときに、後ろ足の少し前にあるウエストラインがどのように見えるかで見極めます。少しくびれて見えるのが適正な状態です。太り過ぎの場合はくびれがなく長方形に近い体型に見えます。最後に、背骨のラインを手で触って確認します。背骨のラインが手に触れるのが適正な状態です。やせ過ぎの場合は背骨の一つ一つが分かる状態です。太り過ぎの場合は、手で触っても背骨の場所が分かりません。

これらの方法や便や食欲など体調の観察から、適正な体型や体重を維持できるよう食事の量を調整してあげましょう。

まとめ

昔から猟犬として人間を助けるなど、かけがえのないパートナーとしてともに暮らしてきた柴犬。その柴犬にとって体や心が育つ子犬の時期の食事は特に大切なものです。成長に合わせた細やかな調整をしながら、適量を適切な回数に分けて与えましょう。また、新しいフードになじめない様子が見られたら元に戻すなど、個体差も考慮に入れながら焦らず進めることも大切です。

食事の適量を知るには、フードのパッケージを見る、体重や体型を見る、計算してみるなどさまざまな方法がありますが、一つの方法だけでなく、様々な方面から考えてみるとよいでしょう。数値にあらわれない飼い主が感じる愛犬の様子も参考になります。

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