飼い方・しつけ

柴犬にご飯の食べ方をしつける方法

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柴犬は氷河期に日本列島に渡ってきたといわれています。縄文時代にはすでに日本人と一緒に生活していて、当時の遺跡から柴犬の骨が発見されました。特徴は三角形の立ち耳や黒い鼻、巻き尾です。小型で飼いやすいサイズながらも、オーナーに忠実できれい好きな性格から海外でも人気があります。被毛の色は大別して赤と黒、胡麻があり、凛々しい姿は日本犬を代表する犬種といわれいます。その美しい姿を保って成長するには、まず食事や生活環境を整えてしつけをする必要があります。

柴犬とオーナーの両方が幸せな生活をするために、食事のしつけを中心に、基本的なしつけと食事の準備についても示します。

ご飯の食べ方にも影響する基本のしつけと信頼関係

柴犬はもともと群れで生活し、序列やルールを守る習性があります。その点を利用して適切にしつけると、ご飯に限らず、散歩やお手入れのシーンで協力してくれるようになります。いちばん大切なのは、飼い主が信頼できるリーダーだということを理解させることです。これに失敗すると家族に噛みついたり、運動中も自分のやりたいようにして飼い主を引きずり回したりするようになります。これでは柴犬の習性に適った幸せな生活は送れません。柴犬が問題行動を起こす原因としては、不安な気持ちがあります。

たとえば食べ物に困らないだろうかとか、自分の身の安全は保たれているのだろうかなどです。日頃の生活でこの不安を取り除いたうえで、しつけを継続していくのが理想できです。ルールに則った食事習慣を送ることは、他のしつけを行ううえでも大切です。数あるしつけの中で汎用性が高く、マスターすると柴犬の社会性が向上するのはオスワリです。オスワリをしていると自分勝手に動けませんし、お尻が地面についていると気持ちが落ち着くので、興奮を抑えることができます。

覚えさせるにはまず散歩用リードに繋いで柴犬と向き合い、おやつを握った右手を柴犬の頭の上に出してオスワリ、と言います。頭の上にあるおやつの臭いを嗅ごうとすると、自然と座るのがトリックです。しっかり座ったらご褒美におやつをあげて、褒めてあげます。何回も繰り返すと柴犬は学習して、オスワリができるようになります。ご飯を前にして理性を失ったり、した場合に有効な命令です。

一番オーソドックスなご飯のしつけ

ご飯のしつけをする前に、食器とフードを用意する必要があります。食器は犬用のご飯ボウルが最適で、素材が劣化せず割れにくいのでステンレス製がおすすめです。底にゴムがついているタイプは、食事中に動かないので便利です。フードは市販品と手作りがあります。手作りのほうがヘルシーなイメージがありますが、現在のドッグフードは完全栄養食ともいわれているので、忙しい人はこれで十分です。大切なのは、食事の環境や内容をコロコロ変えないことです。不安な気持ちがあるとルールを守れなくなってしまうからです。

柴犬にご飯を与える場合には、オスワリとマテ、ヨシの命令を使います。まず飼い主は、ボウルを手にした状態でリードに繋いだ柴犬とアイコンタクトをとって、オスワリをさせます。しっかり座ったらボウルを柴犬の目の前に置いて、マテを伝えます。この時に柴犬がそわそわして吠えたり、オスワリを崩したりしたらボウルを取り上げてスタートからやり直しです。マテがきちんとできた場合には、ヨシと言って食事をさせます。柴犬がご飯を残してしまう場合は原因を考えなければなりません。

体調不良の場合は対処する必要がありますが、遊び食いが原因で食事がすすまないケースもあります。それを防止するためには、残したご飯を一定時間で回収するのが有効です。食べ物が確保できている安心があると、遊び続けてしまいます。食べないとなくなってしまうことを学習させるために、15分程度で片付けるのをルールにしましょう。

食事トレーニングの応用編と、注意すべきこと


オスワリとマテを使った食事に慣れると、柴犬は自制心がついて自分をコントロールする能力が向上します。柴犬の性格にもよりますが、この自制心が幸せな生活を送るためのカギです。さらにもう一歩トレーニングをしたければ、食事の最中にマテをさせるのもひとつの選択肢です。ご飯を邪魔されると唸ってしまう柴犬もいますが、一度マテをマスターすると従わなければという気持ちになります。辛抱強く続けてこれができるようになると、まるで人間の大人のような理性的な振る舞いに近づきます。

柴犬がご飯を残す理由のひとつにおやつの食べ過ぎがあります。ペットショップで売られているジャーキーなどの犬用おやつは、ドッグフードよりも旨味や甘味が強いため、柴犬にとって魅力的に映ります。しかし栄養価は低いので、食事代わりに与えることはご法度です。もし柴犬がおやつは喜んで食べるのに、食事を残すようであれば、いったんおやつは禁止にしてください。その代りに乾燥ドッグフードを数粒あたえると適応するようになります。ご飯のしつけが完了していない柴犬に多いのが、催促です。

吠えることもありますし、前足で床を叩いたり、オーナーに飛びかかることでアピールすることもあります。これをされた場合には、そっぽを向いて相手にしないことです。いちど催促に応えるとそれを覚えて繰り返すようになります。エスカレートすると自分がリーダーだと錯覚するので、催促する姿がいくら可愛くても心を鬼にしてください。

柴犬の食事に関して注意するべきこと

ご飯のトレーニングが完了した場合でも、人間と一緒に食事をとるのは禁止です。この習慣も柴犬の序列意識に悪影響を与えてしまいます。室内で飼っている柴犬は、人間の食事やおやつに興味を示すはずですが、無視して食事を続けてください。もし家族と混ざるためにイスに座ったり、テーブルに乗ったりした場合にはきちんと叱ることです。けれども、じっと待つことが困難な時には、お気にいりのオモチャを与えることで意識を別の方向へもっていってください。食べ物に対する執着心が強い柴犬の場合には、拾い食いをしようとすることもあります。

それで犬は人間よりも食中毒に強い、すこし食べ物が悪くなっていても食べられる、と思ってしまう人がいます。これは誤解です。柴犬も人間と同じように、雑菌でお腹を壊しますし、場合によっては死んでしまうこともあります。だから使用した後の食器はきちんと洗ってください。現在は犬用の食器洗剤とスポンジまで売っているので、可能であればそれを使用します。また水飲みボウルの中に水が残っていても、古くなったら新鮮な水に取り替える必要があります。注意してもらいたいのは、ドッグフードの変更についてです。

食べ残しをしたり、食べるペースがいつもと違ってしまう場合には、しつけを不安に思うかもしれません。しかし、フードが変わると柴犬は敏感に反応して食べ方が変わります。ですから、事情によってフードを変更する場合には、いちどに全部変えずに2割くらいずつ変えていってください。これでしつけへの影響も最小限に留められます。

まとめ

上記のように、ご飯の食べ方と飼い主との関係には相互作用があります。食事のルールを守らせるには信頼関係が必要ですし、信頼関係を壊さないためには正しい食事法を実践することが欠かせません。一度マスターすると安心してしまいますが、気をつけてもらいたいことがあります。それは家族間での情報の共有です。犬は指示の言葉を頻繁に変えられると混乱してしまいますが、食事のルールについても同様です。人によってやり方が変わると何が正しいのかわからなくなります。

ですから最初は家族全員でルールを共有して、全員が同じしつけをできるようになるのが理想です。しつけの行き届いた健康的な食事で、柴犬もオーナーも幸せな生活を手に入れましょう。

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