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柴犬の腎臓ケア対策方法とドッグフードの選び方

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柴犬は洋犬などの他の種類のイエイヌと比較すると骨格がしっかりしているので、食事の際に人間よりも多くのカルシウムを必要とします。他にも健康を維持するためにはタンパク質やミネラル成分・各種ビタミンなどの栄養も十分に摂取することが大切です。ただし一部の栄養素を過剰に摂取することは、病気の原因になってしまいます。食事栄養バランスが悪いと内臓疾患に罹るリスクが高くなり、特に腎臓疾患になるケースが多いです。

人間と同様に犬も腎臓病を発病することがあり、放置すると死に至る恐ろしい病気です。愛犬に長生きしてもらうためには、子犬の頃から腎臓病に配慮したドッグフードを選んで与えるようにすることが大切です。

柴犬の腎臓ケア対策の必要性とドッグフードを選ぶポイント

柴犬の死因で一番多いのがガンと心臓病で、腎臓疾患がこれらに続きます。一般的に犬や猫などの食肉目の動物は砂漠や気温が高い熱帯地方で生息するので、少ない水分量でも生存ができるような体の構造になっています。ただし摂取する水分量が少ないと腎臓に大きな負担がかかってしまうので、高齢になると腎臓病などの腎臓疾患を発病するリスクが高くなります。腎臓病に罹ってしまうと、病気が原因で死に至る場合があります。

ヒトも犬も腎臓は2個あり、血液をろ過して有害成分を除去したり血圧を調整する大切な働きをします。柴犬が急性・慢性腎不全に罹ると血圧を調整したり血液中の有害成分を除去することができなくなって、症状が出るようになります。腎臓の機能が低下すると、元気がなくなる・毛の艶がなくなる・脱水症状で大量の水を飲む、などの症状が出ます。

更に病気が悪化すると尿毒症になり、口の中から出血をする・体温が低い・頻繁に嘔吐や下痢をする・アンモニアのような口臭がするようになります。病気が末期になると、痙攣や昏睡状態などの重篤な症状が出るようになります。人間と同じように、犬も腎臓病を放置すると死に至る場合があります。これらの症状が出たら、早めに獣医師の診察を受けて適切な治療を受ける必要があります。

急性腎不全の場合は病気の原因を取り除けば回復しますが、慢性腎不全に罹ってしまうと元の状態に回復することがありません。そのため、腎臓疾患に罹らないようにすることが大切です。

柴犬が腎臓疾患にかかる原因は?

柴犬が腎臓疾患にかかる原因としては、ドッグフードの栄養素が関係している場合があります。例えばリンの過剰摂取や、カルシウムの摂取不足が続くと、腎結石などを形成する原因になってしまい、結果として腎臓疾患になってしまうことがあります。ほかにも糖尿病やがんなどによって腎臓疾患が引き起こされるケースや、先天性や遺伝性疾患などから引き起こされるものもあります。

これらの腎臓疾患は慢性腎臓病といわれるもので、柴犬の普段の生活などが原因のものです。これとは別に急性腎不全というものもあります。これは急激に腎機能が低下するというもので、慢性腎臓病よりも危険な状況です。この病気の原因としては、出血や循環器系の異常で、一時的に腎臓に血液が届かなくなってしまった場合に引き起こされるものです。いずれにせよ腎臓に関する病気というのは、初期症状がないので早期発見が難しいといわれています。

早めに見極めるポイントとしては、柴犬の食欲低下や体重減少などがあります。また柴犬のおしっこの臭いがなくなったり、口臭がきつくなるといった症状もありますので、普段からよく観察して腎臓ケアをしてあげるようにしましょう。これらの病気や症状をそのままにしておくと、けいれんなどの神経異常を引き起こすこともあり、非常に危険な状態になります。普段と少し様子が違うという場合には、そのままにするのではなく、すぐに動物病院などに連れて行くようにしましょう。

柴犬が腎臓疾患になってしまった場合の治療法と対処法


日頃からドッグフードなどで柴犬の腎臓ケアをしているつもりでも、すでに腎臓病に罹ってしまっている場合もあります。柴犬が急性腎不全になってしまうとすぐに治療が必要です。症状が出ている時はすでに尿毒症になっていることが多く、急を要します。すぐに毒素を排出する処置をしなければなりません。また柴犬の慢性腎不全の場合は、長い治療が必要になります。

治療法は主に食事療法でのケアになりますが、これだけでは不十分な場合は尿毒症を改善する吸着炭の投与や皮下輸液、点滴治療、造血剤などの薬物による治療もおこなわれます。しかし最近の治療法は、薬物療法をしない食事療法やホリスティック療法などが行われるようになりました。ホリスティック療法とは、「自然治癒力」という意味合いで、病気を癒す中心にあるのは病気の当事者で治療をする立場の者は援助者という考え方に基づいて行う治療法で、タンパク質制限とオメガ3やコエンザイムQ10、ビタミンCの摂取により治療します。

またハーブによるケアもありますが、組み合わせが重要ですので詳しい方に聞くようにすると良いでしょう。ホリスティックは猫の腎不全に効果があると話題になっていますが、犬にも効果がある事は実証されています。しかし全ての個体ではないことをお断りしておきます。漢方の治療もあります。種類によって保険適用になるということです。色々な治療がありますが、柴犬の腎不全の程度や体質などによっても治療法が違ってきますので、獣医師とよく相談して下さい。

柴犬の腎臓ケアにおすすめなドッグフード

柴犬の腎臓疾患を進行させないためには、ドッグフードの管理がとても重要です。急性腎不全にかかってしまうと病院での早期治療しか方法はなくなってしまいます。家族の一員である柴犬を腎臓疾患から守り元気に育てていくために、毎日与えているドッグフードを腎臓ケアを意識したものにしましょう。ドッグフードを選ぶ際は、リンとタンパク質が制限されたものを選択してください。

腎不全の食事療法では、ドライフードでタンパク質量20%以下、リンの量を0.2~0.5%に調整することが推奨されています。また、高血圧を防ぐために塩分の制限も必要です。塩分が多く含まれていると嗜好性が高まるので、安価で食いつきの良いドッグフードの中には塩分が豊富に含まれているものが多数あります。腎臓疾患の犬に食べさせるものであれば、ナトリウムが0.4%以下に抑えてあるものが良いでしょう。

ぜひ、ご家庭で愛犬に食べさせているドッグフードのナトリウム量を確認してみてください。そして、腎臓疾患の犬に積極的にとらせたいのがオメガ3脂肪酸という成分です。ここ最近、腎臓病の進行に慢性的な腎臓の炎症が要因となっていることがわかりました。オメガ3脂肪酸は、炎症を抑える抗炎症物質として有名な成分なので、腎臓病の悪化防止にオメガ3脂肪酸が推奨されるようになってきたのです。

腎不全の犬では、オメガ3脂肪酸を0.4%以上に調整した食事療法が推奨されています。

まとめ

腎臓疾患は、末期症状の腎不全になると尿毒症が生じるなど、命に関わるおそろしい病気です。犬の死亡原因の中でも上位に入っているほどの深刻な病気なので、柴犬が高齢になるに従い尿の変化や食欲、毛並みなど、飼い主がチェックするよう意識することが必要です。腎臓は、一度機能が失われると元には戻らないため、進行を妨げるための対処はとても大切です。

病院での薬や点滴治療の他に、家庭でできる食事療法などをしっかり行い、愛犬が少しでも快適に過ごしていけるように環境を整えてあげましょう。家族が、自分たちでもできるできる対処法をきちんと知っておくことは、愛犬の命を守ることに繋がるのです。

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