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柴犬とハスキーの歴史と生態及びミックス犬

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柴犬は、日本列島とユーラシア大陸が陸続きだった最終氷河期の縄文時代〜4,000年前の弥生時代にかけて日本列島各地に生息域を拡大していったとされ、世界の犬の中でも最も古いグループに分類されると共に国の天然記念物に指定されています。

柴犬は、天然記念物に指定されている日本犬の中で最も頭数が多い事から生息地域毎に山陰柴犬や美濃柴犬など多くの種類が存在しますが、現在では最も小さく可愛らしいチワワ〜ラブラドールなどの屈強な大型犬とのデザイナード・ハイブリッド犬も数多く異種交雑されており市場での取引頭数が増加しているのが現状です。

日本犬でも最も古い柴犬とシベリアンハスキーの歴史

柴犬は、明治維新以降急激に増加した洋犬との異種交雑や有効薬が無く死亡率の高いジステンパーなどの感染症で純血種が減少し、昭和11年12月に国の天然記念物に指定されています。この犬種は、ユーラシア大陸全土に生息するタイリクオオカミをから分岐した亜種であり、タイリクオオカミの特徴を色濃く受け継いでいます。柴犬は、遺伝子学上でも人間とチンパンジーと同程度の全遺伝子の98%が一致しており、タイリクオオカミから30,000年以上昔に分岐した亜種の子孫です。

柴犬は、タイリクオオカミの亜種とされるチュウゴクオオカミから分岐した縄文犬が直接の先祖とされています。柴犬は、最終氷河期の終焉と共に開始された日本列島の島嶼化による小型化や弥生犬との交雑などによって現在の生態となったとされ、縄文時代から戦前までクマやイノシシなどの狩猟犬の役割を担って来ました。シベリアン・ハスキーは、ロシア連邦のウラル山脈以東のシベリア〜カナダ北極圏に広がるツンドラ地域を原産地とし、トナカイの遊牧を行うネネツ族やツァータン族及びチュクチ族など1,000年にわたり牧畜犬として重用して来ただけで無く、ベーリング海やオホーツク海の沿岸で狩猟犬や番犬の役割を果たして来ました。

1900年代には、シベリアや北極圏の移動手段としてソリをひき、現在では世界最長距離犬ぞりレースのアイディタロッドには必要不可欠な犬となっています。

柴犬とシベリアン・ハスキーの特徴と生態

柴犬とシベリアン・ハスキーは、世界でも指折りの人気を誇る犬種であり、世界的な国際蓄犬連盟の第5グループ「原始的な犬・スピッツ」に分類されています。その為、頑強な骨格にしなやかな筋肉がしっかりとついているだけで無く寒さに対応可能なダブルコートの毛並みが美しく、好奇心旺盛な事から常時動き回る事が多く毎日小一時間の散歩が不可欠です。

ダブルコートの体毛は、暑くなる春〜夏にかけてと寒くなる秋〜冬にかけての換毛期間にはびっくりするほど抜け毛が発生するとされ、換毛期間には外観の維持や皮膚病の発症予防の為に毎日にブラッシングが必要とされています。しかし、小型犬の柴犬と中型犬や大型犬に分類されるシベリアン・ハスキーでは外観が大きく異なるだけで無く生態や性格も大きく異なります。柴犬は、雄の体高が38cm〜41cmとされ、雌は35cm〜38cmと小さく可愛らしいのが特徴です。

性格は、オオカミの血を色濃く受け継いでいる古代犬に良く見られる警戒心や独立心が強く、信頼関係が構築出来ていない場合には飼い主にも噛み付く社会性が欠落しているのが特徴と言えます。シベリアン・ハスキーは、雄の体高が53cm〜60cmとされ、雌は51cm〜56cmと柴犬に比べて2回り程度大きく極寒環境下での牽引力や長距離走破能力の高さが特徴です。性格は、柴犬に比べて穏やかかつ有効的な事が特徴であり、所属集団への帰属意識や社会性など飼い主やその家族への親和性が非常に高く愛嬌があります。

柴犬とシベリアンハスキーのミックス犬


柴犬は、古代犬と呼ばれる日本犬の中でも最も古い犬種ですが、愛玩動物として飼われている犬種の中で第5位と人気となっており、海外では特にアメリカやイギリスで人気が高く様々な異種交雑が行われています。柴犬とシベリアン・ハスキーとの異種交雑では、小型犬に分類されるシバリアン・ハスキーが誕生しますが、ブリーダーが少ない事から入手が難しいのが現状です。

シバリアン・ハスキーは、シベリアン・ハスキーを彷彿させる外見が特徴ですが、分類は骨格の大きさから小型犬であると共にダブルコートの被毛は柴犬に似ている確率が高くなり、顔つきは吊り目のきつね顔が大半を占めています。シバリアン・ハスキーは、古来から狩猟犬として存続して来た柴犬と犬ソリや牧畜犬として活躍したシベリアン・ハスキーの異種交雑なので柴犬の攻撃的な性格が薄れ、シベリアン・ハスキーの集団生活に適した有効的な社会性の高い性格です。

柴犬のデザイナド・ハイブリッド犬には、フワフワとした毛並みが人気のプードル犬とミックスした「プーシ」や人気の「ポメラニアン」とミックスしたポメ柴などがあり、特に最も小さな小型犬のチワワとミックスした「柴チワ」は人気となっています。プーシは、狩猟犬由来の警戒心に起因する強い攻撃性が薄れると共に人に愛嬌を振りまく人懐っこさが特徴です。柴チワは、きつね顔にチワワの顔を足して2で割った様な顔が愛らしく、小熊の様にコロコロとした姿が人気となっています。

健康を維持する為に不可欠な毎日の散歩

柴犬は、縄文時代の太古から山河を自由に走り回り獣や鳥類などの狩猟を行い、シベリアン・ハスキーも同様に牧畜犬やソリのひき手として走り回ってきた事から普段より動き回る特徴があります。柴犬とシベリアン・ハスキーは、オオカミの血を色濃く受け継いでいる原始的な犬・スピッツに分類されている比較的近い亜種から分岐した近似種であり、成長期の適度な運動を怠ると成長に遅れが生じ小型化してしまうだけで無く過剰なストレスの蓄積が健康不良の原因となる事もあります。

その為、朝夕の散歩を欠かさず行いバランスのとれた食事を与える必要があり、小型犬の柴犬は家の近所を回るだけでも充分です。シベリアン・ハスキーは、世界最長距離の犬ソリレースのアイディタロッドに参加するほどスタミナを有しているので近所を回る程度では運動不足に陥るケースも多く、サイクリングやジョギングに同行させる1時間以上の運動を好むケースも少なくありません。

柴犬は、室内や狭いベランダなど充分に運動出来ない環境下で飼い続けるとストレスを抱えてしまい、唸る頻度が徐々に増加するだけで無く少しの事で吠えてしまう様になります。柴犬は、頑強な骨格に見合ったしなやかな筋肉をつけさせる為に成長期の適度な運動は必要不可欠ですが、しなやかな筋肉と健康を維持する為には朝夕の2回で計1時間以上の散歩が望ましいとされています。また、同じコースでは無く違うコースで運動させると満足度が高くなりますが、時間は敢えて決めずに行うと後々楽です。

まとめ

柴犬は、タイリクオオカミの血を色濃く受け継いでいる日本固有の古代犬であり、飼い主の忠誠心の高さや小型犬ながらもしなやかな筋肉と毛並みが美しい姿が人気です。柴犬は、狩猟犬なので警戒心が強く他の犬に対して強い独立心と攻撃性を示す特徴がありますが、団体行動や社会コミュニケーションが得意なシベリアン・ハスキーと異種交雑したシバリアン・ハスキーは攻撃性が抑えられ友好性が高くなっています。

その為、柴犬は国の天然記念物として純血種を保護する運動が繰り広げられている一方で、小型犬のチワワ〜大型犬のラブラドールなどと異種交雑したデザイナード・ハイブリッド犬も数多く取り引きされています。

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